Wednesday, December 07, 2011

起業家コンテストを通して見えたもの

悔しい結果に終わりました。

気楽に楽しむ気持ちで望んだとはいえ、やっぱり負けは悔しいです。

まだまだ自分が未熟であることを改めて痛感しました。

自分の今までの経験や、先生方に教わってきたことを活かし、反映することの難しさを知りました。
また、医療・薬学業界の問題を、業界外の人に対策の必要性と重要性を理解してもらい、共感してもらうことの大変さもしりました。

まだまだ、問題の掘り下げも甘かった。
問題がきちんと深く掘り下げられてなく、本質が見えていないと、その対策も薄っぺらいものになってしまう。そしてそれを支えるFACTも重要。

それに基づいて、インパクトのあるメッセージを伝えなきゃいけなかったんだな。

でも、コンテストを通して、やっぱり自分が目指す社会は実現しなければならないという思いが強くなりました。
次はコンテストではなく、現実の世界で勝負していくので、今、自分の未熟さを改めて知れたことは収穫でした。
悔しいですが、また一から勉強するのみです。

でも、金沢で起業家を目指す熱い仲間にも出会えたし、素晴らしい起業家の先生にもお会いできました。


ありがとうございました。

Thursday, December 01, 2011

志を新たに。12月1日、今日は世界エイズデー

今日は世界エイズデーです。

HIV/AIDSと言う疾患は、私に医療者としての基本を教えてくれました。

患者さんや家族に寄り添うことの大切さ。

ただでさえ、病気であることは大変なことなのに、それに加えて差別や偏見などからくる社会的な困難を二重、三重に抱える人がいること。

たとえ病気を治療しても、社会から存在を受け入れられないという、もっとも辛い「社会的な死」という概念を知ったこと。

カウンセリングの重要さ。
カウンセリングの難しさ。

多様な価値観。
自分の命より、大切なものがある、と言う価値観があること。

医療者の押し付けでは何も解決しないこと。

患者さんは生活者であること。


予防の大切さ。


医療の限界。。。



今の自分があるのは、多くの失われた命や差別に苦しんできた人々、そして現在も共に生きている人々のおかげです。
そんな全ての方々に今日は感謝する日。

そして、志を新たに。














Tuesday, October 18, 2011

日本の薬剤師の現状に薬学生は失望している?

ホームページやブログを通じて、若手の薬剤師さんや薬学生の方から進路やキャリアについて相談を頂きます。

私にとってそれは非常に嬉しいことです。
なぜなら、私自身が学生の時、日本で薬剤師として働くことに魅力を見出せず、悩んだ時に、誰に相談して良いのかわからずに苦しんだ経験があるからです。


最近の学生さんの悩みでよく聞くのは教育現場と医療現場の乖離です。
「学校では高度な薬物治療やチーム医療の中での薬剤師の役割について習うのに、実際現場を見てみたら、作業ばかりで、全然患者と接することができないし、患者を見ていない」と言うような内容です。

実習などで現場を見て、薬剤師の役割を改めて認識し、モチベーションを上げて帰ってくる学生も沢山います。
一方で上記のように、理想と現実のギャップに失望する学生も少なからずいます。

志が高ければ高いほど、悩み、苦しみます。
日本で薬剤師になるために、このまま勉強を続ける意味があるのか、医学部に入りなおして医師になった方がいいのではないか、または米国など海外で薬剤師になった方が自分が理想とする形で働けるのではないか、そのように考える人もいます。
個々によって、キャリアに対する価値観、人生において大切なものは異なりますので、それぞれにあった道があることと思います。
私自身も、学生時代から国際薬学生連盟を通して知り合った各国の薬学生と交流する中で、薬剤師として自分に何ができるか、悩み抜いた末に、卒後、青年海外協力隊として国際協力に関わることを選択しました。


ただ、現在私自身は、日本で薬剤師として働くことに魅力を感じています。

理由は主に二つあります。
一つは、自分が生まれ育った日本で、医療を通して日本の地域の人々の貢献したい、と言う思いがあること。もう一つは日本の薬剤師を取り巻く環境が、日々刻々と変化しているからです。


日本における薬剤師の立場は現時点では必ずしも理想的な環境にはないかもしれません。でもそこだけ見て未来への希望を捨てないでほしい。変えていこうという志を持っている人が沢山います。
薬学生のみなさん、どうか、現在の薬剤師を取り巻く環境が自分が一生働く環境だと思わないでください。


ここ数年だけ見ても、私が学生時代に米国の薬局で実習した際に、「米国の薬剤師はこんなことができるんだ」と衝撃を受けたことが日本で少しずつできるようになってきていることに、私自身は驚くと同時に、希望を見出しています。これからもっと変わっていくでしょうし、変えていかなくてはならないと思っています。そして同じように考えている仲間が沢山います。どうか、結論を急がずそう言った人たちに会ってみてほしいと思います。



そして、日本の医療をもっと良くしていこうと奮闘している薬剤師のみなさん。
伝えなければ、世間の人も、学生も、みなさんの活躍を知ることはできません。

どうか自分の考えや取り組みをもっと世の中に発信していきましょう。









※参考

国際薬学生連盟 www.ipsf.org 日本薬学生連盟 http://apsjapan.org/index.html
学生時代に活動していました。各国の薬学生と交流したり、団体を通して海外で実習を経験したり、また日本の医療を変えていこうとしている多くの仲間にも出会いました。


Pharm.Dクラブ http://pharmd-club.cocolog-nifty.com/blog/
日本の薬学教育、薬学実務の水準向上に貢献することを目的に海外で臨床教育を受けた日本人薬剤師のネットワークです。

Tuesday, October 04, 2011

ドラッグストアで「ロキソニンS」「ガスター10」が買えない、 を読んで



ドラッグストアで「ロキソニンS」「ガスター10」が買えない

かけ声ばかりのセルフメディケーション



日経ビジネスの上記の記事を読みました。
この記事には残念ながらいくつかの大事な視点が欠けています。


まず、何の為に薬剤師がドラッグストアに必要なのか、という視点。

薬剤師は第一類医薬品を売るためだけに存在する道具ではない。
患者や消費者の健康と生活を守る為にいる。

なのに、一類が売れないから、売れるように規制緩和をする、と言うのは患者の健康・生活を守るという最も重要な視点から見ると、本末転倒である。


本来、薬剤師は、一類医薬品に限らず、OTC全般、健康食品、また食品や医療用医薬品との相互作用、さらには必要に応じて受診勧奨や生活アドバイスなどの相談を応需してきたし、今後もすべきである。

私も実際、薬剤師としてドラッグストアで勤務していて、受診勧奨が必要なお客さんに出会ったことが何度かある。そう言った際は、地域の医療機関に連絡を取り、対応していただく事も、薬剤師だからこそできる。

今後、薬剤師がバイタルサインをとったり、フィジカルアセスメントをできるようになっていけば、ドラッグストアの薬剤師がプライマリヘルスケアの一翼をにない、長期的支援も可能になるし、相談応需と医療機関との連携が更に重要になっていく。


それだけ重要な役割をになっているのだから、薬剤師のコストが高いのは当然である。
しかし、薬剤師をコストに見合った、更にはそれ以上の有効活用するかしないかは、経営者次第だ。
ドラッグストアが価格競争以外で勝負する余地があるのは相談応需による信頼の獲得である。それができる薬剤師を獲得できるだけの、魅力的な企業になること、またそのような薬剤師を育てるのは、教育機関とドラッグストア各社の義務である。



また、薬学生のドラッグストア就職敬遠傾向に関しては、最近の薬学生と話す限りは、だいぶ、その様な偏見は減ってきていて、むしろ、ドラッグストアこそが、地域の核となり、トータルヘルスケアを実現できる場である、という認識も広まりつつある、と感じる。


また、ドラッグストアの仕事は資格(専門性)に関係ない、と言うの主張も、
どのような業務をするかは各社の方針によって異なるし、そして、
何をするか、ではなく、重要なのは何の為にするか、である。

一般従業員が行える仕事であっても、薬剤師が行うことで意味が変わる。

例えば、ハンドクリームを求めるお客さんに対し、ただ、ハンドクリームコーナーを案内するのは一般従業員でもできるが、お客さんの手荒れに対し、化粧品か、医薬部外品で対応すべきか、医薬品で対応すべきか、また原因や症状によっては受診を勧めるべきなのか。
この判断ができるのは薬剤師だけ。
たかがこんな作業、と言ってしまえばそれまでだ。



来年度以降、ドラッグストアの薬剤師不足が緩和される、と言うのも甘い予測に聞こえる。実際、ドラッグストア各社は新卒採用に苦労を強いられているところが多い。また深刻な人材不足の問題を抱えているにも関わらず、会社の方針として、新規出店ラッシュが続いているという矛盾も存在する。更には、ドラッグストア業界は離職率が高い業界の一つでもあると言う一面もある。


私達薬剤師は、社会が自分達をどう評価しているのかに対し、もっと敏感にならなければならない。
そして、自分達の職能、専門性、役割、責任とそれらの可能性に関して、もっと、社会に発信していかなければならない。
そして社会のニーズに応えられるよう、日々、学び、積極的に取り組んでいく必要がある。






Friday, September 16, 2011

夢や目標はなくてもいい



あなたは何を目指しているの?
将来の目標は?

よく聞くフレーズ

さらには、

ビジョンを持て!
夢を見つけよう!

と押し付け気味のメッセージまで。



確かに、先が見えないのは不安です。
そして、やりたいことや目標が見えていることは素晴らしい。それに向かって突き進めばいいのだから



だけど、

みんながみんな、夢や目標を持てるわけじゃない


夢や目標を持とう!

というメッセージが氾濫すると、

それがない人は余計不安になる




そして、夢や目標を見つけなきゃ、と焦る
でも焦っても簡単に見つかるものじゃないから
適当に、「私はこれを目指しています」と体のいいことを言ってみたりする


そんな世の中だから
私は声を大にして伝えたい

夢や目標がなくてもいいよ

と。



やりたいこと、やるべきことに向かって努力して何かを達成する人もいれば、

目の前にあることをコツコツ積み重ねて、振り返ってみれば、ここまで来たかぁ~
という人もいます。


どちらがいいとか悪いじゃない

みんな人それぞれ。

やり方も役割も違います。











Wednesday, September 07, 2011

適正使用と合理的使用の違い

先週末、日本社会薬学会第30年会に参加してきました。

久し振りに懐かしい先生方にお会いすることができました。

基調講演で、年会長の津谷先生よりご講演がありました。

テーマは、「社会薬学とドライラボ」

この時はじめて「ドライラボ」という概念を学びました。

薬学部では長年、実験する場=ラボと言う考えが主でしたが、
社会科学的に、薬学に関連する事象を研究することは、薬学において非常に重要であり、
実験をしないラボを「ドライラボ」と呼ぶそうです。
医薬品の安全性を確保する上でも、社会に必要とされる薬学人材を輩出していくためにも、
とても大事な考えであると思いました。


先生のご講演の中で、最も私の興味を引いたのは、

「医薬品の適正使用と合理的使用は異なる」

と言うお話でした。


それが何を意味するのか、すぐに理解できなかったのですが、先生の説明と、自分なりの解釈によると、

薬を適正に使用するということは、薬をガイドラインや適応に応じて、正しく使うということ。

一方、薬を合理的に使用するということは、限られた医療資源を適正に配分する、ということ。

と理解しました。


つまり、例えば、ある病気を治すために、100万円の薬が必要な患者さんがいて、その人に、その薬を投与することは、「適正」です。

しかし、その医療費を使って、1万円で病気が治る人100人を救うことができるとしたら、その選択は「合理的」ではないのかもしれないと言うことです。

医療者は常に、公衆衛生的概念を持って、治療に当たる必要があります。
また、医療資源(医療費や医療人材)は無限ではなく、限りがあります。
なので、我々は、トリアージをしなければならない時もあります。
これは、命を救うことを使命としている私達医療者にとって、非常に辛い仕事です。
患者さん本人やご家族、友人からしたら、その人の命を救うことが何よりも最優先であり、それが「正しい」選択であるからです。

目の前しか見えておらず、その背景にいる沢山の命を見過ごしていないだろうか、
我々医療者は常に自分に問いかけなければならないのではないでしょうか。
































Wednesday, August 03, 2011

なぜ協力隊に参加したのか

最近、ブログやTwitterを見てくれた薬学生が、

「私も協力隊に行きたいけれど、迷っている」

「海外で働きたいけど、どのような方法があるか」

「語学が不安だけど、どうしたらいいか」

など、質問を下さいます。

このような質問を頂くことは私にとっても、自分自身の歩んできた道を振り返る、貴重な機会となっています。ありがとうございます。


海外で働くいくつかの方法については、前回 簡単に紹介しました。


学生の方に、
「後町はどのように進路を決めたのか?」
「なぜ協力隊に参加したのか?」
と言う質問を頂いて、改めてその理由と決め手は何だったか振り返り、考えてみました。

様々な思い、背景、そして迷いがあったことは事実です。

やはり、一度社会に出て、日本で薬剤師として、経験を積んでからの方がいいのだろうか?という悩みもありました。

そんな中で、進路を選択するに当たって、自分が大切にしていたのは、以下のようなことだったと思います。


1.現場で人が見える仕事がしたかった
2.薬剤師としての可能性を拡げることに挑戦したかった
3.国際的なキャリアを積んでいくための第一歩と考えていた
4.先延ばしをしたらまた絶好のタイミングとチャンスが来るとは限らないと思った


1.当時、私の少ない経験と知識においては、日本で薬剤師として働く=患者さんや人々と向き合う時間より圧倒的にモノを扱う作業の時間が多いと認識していました。
なので、現地の人と一緒に、生活や文化、社会とのかかわりの中で、できる仕事に魅力を感じました。

2.学生時代に国際薬学生連盟(IPSF)で活動した経験から、海外の薬剤師は、枠にとらわれず、様々なフィールドで活躍していることを知り、薬剤師として、社会に貢献する方法は、無限大にある気がしていました。IPSF時代に、Public Healthの活動に力を入れていて、エイズ対策はその一つだったので、その後の進路として、自分がエイズ対策に関わることは自然な流れでもありました。

3.将来、国際的な課題を解決していけるような仕事をしていきたいと考えていました。
そのためにも、まずは、協力隊として、異文化・異環境の地で生活をしながら、仕事をしてみたいと思いました。

4.先にも書いたように、一度、社会に出ることも考えました。
しかし、一度就職して、仕事が軌道に乗ってくれば、だんだん負かされる責任も増えてますます仕事も面白くなってくるでしょうし、仕事以外の面でも、年齢が上がれば、結婚や出産、介護なども考えなくてはならないと思います。
そうなった時に、自分のことだけを考えて、選択ができるだろうか?と考えると、その時、目の前にあるチャンスを逃したくない、と思いました。


これらは、あくまで私が当時考えていたことなので、必ずしも、現状でも通用する・または他の人にも当てはまる、というわけではないと思います。

また、当時のブログを振り返ってみると、「自分は途上国の現状を知り、日本を変えるためにガーナへ行く。」と言っています。


恐らく、協力隊に参加するに当たって、迷う一つのポイントは、参加する時期・タイミングだと思います。
社会人経験なしに、大学卒業後、すぐに参加することは、いい面もありますが、その後日本で働くことを考えると不利な面もあります。

日本は圧倒的に新卒に対しては門戸が広く、中途では即戦力にならない限り、好条件で就職することは難しい社会だと思います。(地域やその人の資格・能力にもよりますが。)

また、最近の要請は条件として、社会経験や実務経験を課しているものも多いのも事実です。
実際、私が合格した要請は要実務経験でしたが、学生時代の国際NGOでの活動が評価され、合格することができました。


つまるところ、まずは、

「なぜ協力隊に参加したいのか」
「その後の進路・キャリアをどう考えているのか」

をはっきりさせる必要があると思います。

これは、協力隊に限らず、就職活動や進路開拓に共通して言えることですね。

何故、何のために、何を目指して、何をするのか

明確にするのは大変です。沢山悩むし、迷います。時間もかかります。

でも、自分と向き合い、自分の人生について真剣に考える、また周りの人々がそれに応えてくれる、という環境は人生の中でそうそうあることではありません。

そして、悩みぬいた末の決断であれば、その後困難にぶち当たったときも、自分の信念を突き通すことができると思います。

Monday, August 01, 2011

薬学生・薬剤師が海外で働く、国際キャリアを積むには

先日、Twitterで、日欧産業センターが開催する、薬学生を含む理工系の学生を対象にした、
ヨーロッパでの奨学金つきの語学研修(4ヶ月)+インターンシッププログラム
を紹介したところ、予想以上の反響がありました。


最近の学生は内向きだと言われていますが、そういう人ばかりでもないように思います。


海外で働くには、様々な方法があります。

数ある方法の中で、自分にあった手段を選択するには、漠然とした憧れだけでなく、
「何のために海外へ行って、自分は何を目指すのか」をはっきりさせる必要があります。

それによって、どこで何をするのか、そしてそのためにどんな準備が必要なのか、が見えてきます。


例えば、途上国で働きたい、活動したいということであれば、入り口の一つとして、青年海外協力隊やUNV(国連ボランティア)も一つの手段でしょう。


また、途上国に限らず、海外での就職を考えるなら、大学や大学院、または博士課程への留学も良いかと思います。資金が必要ですが、各種奨学金を利用することをオススメします。
また、博士課程に関して言えば、給与が発生する雇用契約をもっている国もたくさんあるので、
生活するには問題ないかと思います。


また、海外の生活や文化を体験したい、ということであれば、お金をためて、ワーキングホリデーを利用するのも良いと思います。 http://www.jawhm.or.jp/
私の友人も何年か薬剤師として働いた後、オーストラリアやカナダへワーキングホリデーを参加した人が何人かいます。


あとは、競争率は高いですが、WHOを初めとする、国連機関やFIPなどのNGOで働く、ということも考えられます。ただこれらは、高い専門性と語学力が必要であるのと、空席に対して応募するのが原則なので、タイミングよくチャンスが来るわけではありません。
http://www.geocities.jp/yohkocco0407/int_coop.html
直接採用にこだわらないのであれば、国家公務員になって、各機関に出向する、という手もあります。



何をするにも、語学力は必須です。
最低日常生活に支障のない語学力、そして、仕事をするには業務遂行可能なレベルの
語学力が必要です。
語学力を証明するために、TOEICやTOEFLは必ず受けておきましょう。
TOEFLは学術的内容を含み、結構難しいので、海外の大学院などへの留学目的でないなら、
まず実力試しに受けるならTOEICを受けるのがいいでしょう。
また、近年、欧州を中心に、多くの大学院入学で利用できる、IELTS(TOEFLの英国版)は、
記述試験や、口頭試問がありますが、TOEFLより、内容的には易しいという印象です。

目指すスコアの目安としては、TOEIC730、TOEFL550、IELTS 6.0 が、留学や就職で求められることが多いです。
(大学院留学や、外資系であれば、更に高い基準を設けているところもありますし、競争率が高い場合はスコアが高いに越したことはありませんが)

ただ、応募条件は各種企業・団体で異なりますし、留学であれば、応募時点で達していなくても、入学までにクリアすることで、許可が与えられる条件つき合格もあるので、点数に達していないからと言って、諦めないでください。

また、国際公務員を目指す方などに関しては、国連英検という試験があり、英語力だけでなく、国際常識を問うものです。 http://www.kokureneiken.jp/




英語が最も一般的でとっつき易いですが、フランス語ができるとヨーロッパに本部がある国連機関やアフリカ関連の業務を行う団体においては非常に有利です。
また、スペイン語や中国語、ロシア語なども重宝されるでしょう。




また、国連を含め、国際的に仕事をしていく上では、最低Master degreeは必要です。


また、学生さんの場合は、IPSF:国際薬学生連盟(www.ipsf.org )を通して、海外の学生と活動したり、交換留学プログラムに参加することもできます。
私は、IPSFの活動を通して得た、各国における人脈がとても貴重であったと日々実感しています。
日本でIPSFに加盟し、活動を行っているのは、日本薬学生連盟(APS-JAPAN http://apsjapan.org/ )です。


海外で薬剤師として働きたい、という場合は、その国の薬剤師免許を取得する必要があります。
取得方法や条件に関しては各国により異なります。
また、少し前まで、英国やカナダでは、薬剤師が地方で不足していたので、外国人の薬剤師の移民を積極的に受け入れていましたが、最近は充足しつつありますので、状況は変わってきています。

将来的に日本に生活基盤を置いて、国際的なキャリアを積みたい場合は、海外進出を積極的に行っている大手の企業や、外資系企業に就職するのもアリだと思います。


薬学生・薬剤師が海外で働く、国際キャリアを積むには その2 (スタート編)はこちらから。


質問・相談は左記メールフォームからお気軽にどうぞ。

Friday, July 08, 2011

名前が一人歩き

今月の薬学生新聞を見ていたら、なぜか、自分の名前が載っててびっくりしました!


学生時代に立ち上げた、日本薬学生連盟(旧薬学生の集い)の新入生歓迎会の「社会で活躍する薬学部を卒業した人」という企画で、後町陽子のことを紹介してくれた学生さんがいたみたいです。

http://www.yakuji.co.jp/wpyj-002/wp-content/uploads/2011/07/g000029_20110701_p03_link.pdf

自分が関わった団体が継続し、活動を続けてくれていることをとても嬉しく思います。
また、現在、活動している学生は、私達が学生だったころより、更に成熟した信念のもと、
アクティブに楽しみながら活動している様子が伝わってきます。


自分が学生だったころ、薬学業界において、なかなか夢を描くことができなかった。
薬学を活かした国際貢献、社会貢献、やりたいことは沢山あったけど、
学校で学ぶ内容と、やりたいことがつながらず、
ロールモデルになる先輩を探したけど、
その様な人を自力で探し、出会うのは容易でなかった。
熱い思いを持ちながらも、この業界に見切りをつけて、
他の業界に転進していった、優秀な友人も沢山いた。



だから私は、この世界で新しい道を切り開いて、

自分がもっともっと力をつけて、

それを発信し続けることで、

「薬学を活かしてこんなことができるんだ」
「薬剤師にはこんな可能性があるんだ」

ってことを、後に続く人たちが希望を持てるように示していきたいと思ってきた。そして今も思い続けている。


国際協力がしたい

薬学を活かして社会貢献がしたい

薬学業界から医療を変えていきたい

薬学教育を改善したい

薬剤師の職能を高めることで、良質な医療を提供していきたい

もっと楽しく、活き活きと仕事がしたい



少しでも共感する思いをお持ちの方がいたら、ぜひご一報ください。
一人では難しいことも、同じ思いを持つ同志が集まれば、実現できます。



後町陽子 

Thursday, June 30, 2011

仕事とボランティアの違い

ご無沙汰しております。

なかなかゆっくり筆を持つ時間を見出せません今日この頃でした。

先日、東京のイベントで、起業支援をしている方にお会いしました。
彼らに私のやりたいことについて、お話を聞いてもらって、自分が本当に目指すものは何なのか、そのためにやらなくてはならないことは何なのか、少しずつ見えてきた気がしています。


それをきっかけに考えたこと。


それは仕事とボランティアの違い、位置づけ、そしてそれぞれの意義について。

10代から現在にかけて取り組んできたこと。
学生団体の立ち上げにしても、HIVの活動にしても、
協力隊にしても、

どれも、基本的に自分の興味・関心=やりたいことと、自分がやるべきだと思うこと=社会に必要とされているだろうことにひたすら取り組んできた。
見返りを求めないのと同時に、そこにかかるコストに対しても無関心ではいられなかったが、甘さがあったと思う。
この姿勢はボランティアだったと思う。


一方で、仕事はどうだろう。
仕事・ビジネスの基本は、顧客のDemand=要求に基づいている。
その価値を認める人がいるから、成り立つ。


ではボランティアがやっていることは?
多くの場合、必ずしも、社会はその価値を見出していないことも多い。そのため、十分なペイが発生しないので、ビジネスとしては成り立たない。
でも、社会全体が価値を認めていないないからと言って、それが必要ない、というわけではない。
むしろ、革新的に物事を進めるには社会に広くその価値を周知させるために、先陣を切って、
新たな取り組みを始めることが大切だ。

また、緊急的な状況下では、それに対する対価が支払われるかどうかより、優先して、支援を行わなければならないことも多々ある。

逆に、だから、ずっと、ボランティアだけやっていても根付かない。
一人の人間が同じことをやるならば、その人が生きている限り、続けることはできるだろうが、
社会がその価値を認め、経済活動の仕組みに組み込まれないと、それは発展、継続していかない。

また、ボランティアと仕事に共通しているのは、どちらもニーズに基づいて実施されるべきだということ。

ニーズに基づいていないと、ただの自己満足に過ぎない。
そして、ニーズと、Demand(欲求、要望)は勘違いされやすいが、これは同じでない。


仕事とボランティア
これらは相反するものではなく、
社会にとっても、一人一人にとっても、
どちらも必要。

Thursday, June 16, 2011

震災から3ヶ月。今こそボランティアを。How to join volunteer program

東日本大震災から3ヶ月がたちました。

震災発生当初は、被災地の自治体機能が失われたり、道路、公共交通機関の断絶など様々な混乱から、自衛隊や政府関係者、報道、NGO/NPOなど限られた人々が中心に被災地支援を行ってきましたが、3ヶ月たち、少しずつ公共の機能も回復が見られます。

時間の経過と共に、人々の関心は少しずつ薄れていきます。
でも復興はまだまだこれからです。これからが人が必要なときです。
また、自分達が被災地に送った物資やお金が、本当に必要な人々に届いているのか、
自分の目で確かめましょう。

各地のボランティアセンターやNGO/NPO、また被災地のボランティアセンターでは、災害ボランティアを常に募集しています。

日帰りで参加できるものから、週末を利用して1~2泊するもの、被災地の経済復興のために観光のオプションがあるもの、など、様々なプランがあります。



<災害ボランティアに参加するまでの流れ>

1、ボランティア保険に加入
ボランティアに参加するにはまず、自分の住んでいる自治体の社会福祉協議会へ行って、ボランティア保険に入りましょう。プランは天災AとBがありますが、内容は同じで補償額が違うだけです。
Aプランであれば、自治体が加入費を出してくれるので実質加入者の負担はありません。
簡単な書類に記入するだけなので、手続きは5分くらいで終わります。

2、参加できるプログラムを探そう。
各地の社会福祉協議会のボランティアセンターでも、災害ボランティアを募集していたり、ボランティアバスを運行しているところもあります。

例えば石川県でも募集しています。http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenmin/saigai/vol.html
その他の地域の募集はこちらに随時アップされています。
http://shinsai.yahoo.co.jp/volunteer_db/index.html

ボランティア初心者であれば、ボランティアバスを利用することをお勧めします。
自分の居住地周辺からボランティアバスが出ていない場合でも、仙台駅や、福島駅からボランティアバスが運行されていますので、仙台や福島まで鉄道で赴いて、参加することもできます。
関東や関西からも様々な年齢の方が参加しています。

個人の車で、直接、被災地の災害ボランティアセンターに行くことも可能ですが、
土地勘がある場合を除いては個人で被災地に来るまで行くことは難しいかもしれません。

多くのプログラムにはボランティアコーディネーターや経験者がいるので、わからないことがあれば、聞くことができます。

3、準備
自分が参加できそうなプログラムを見つけたら、現地に行くための準備をしましょう。
泥のかき出しやがれきの撤去などをする場合は、基本的に以下の装備が必要です。

飲料水、作業着、合羽、ゴーグル、安全長靴(釘やガラスのふみ抜きを防ぐため、鉄板中敷入りが望ましい)、ゴム手袋、軍手、角型スコップ(公共交通機関を利用する場合は、現地の災害ボランティアセンターで借りれるか問い合わせてみましょう)、防塵マスク、タオル、身分証明書(運転免許)、着替え、ボランティア保険加入カード、お金(現地の特産物やお土産を買って帰ろう)、自分の食料


4、十分な体力とともに、出発。

5、現地入り。作業。ボランティア仲間や現地の人と交流。

6、現地でお土産を購入。

7、帰宅。

8、帰ってからも、自分に何ができるか考えて、行動する。


写真やビデオ撮影は基本的には控えましょう。
相手の気持ちになって、言動を考えましょう。
無理は禁物。

Sunday, May 22, 2011

先生と呼ばないで


昨日、久し振りに薬局の店頭に立ちました。
一緒に働かせて頂く薬剤師さんやスタッフの方々は、年齢も近く、明るく、勉強熱心で、丁寧に教えてくださいます。
大学院での研究とはまた違ったことが沢山学べるこの週一日は、私にとってとても貴重です。

この会社を紹介してくださったのは、学生時代に立ち上げた組織http://apsjapan.org/index.htmlが駆け出しのころから、活動を応援してくださった方です。
こうしてまた、金沢でお会いできるとは、想像していませんでした。
人の縁とは不思議なものです。


さて、そんな素晴らしい新しい職場ではありますが、私にはどうしても馴染めないことがあります。
それは、薬剤師を先生、と呼ぶことです。

東京にいたときは、経験や有資格者であるか否かに関わらず、お互いさん付けで呼び合っていました。
確かに、埼玉の店舗や茨城の店舗に応援に行った際に、
「先生!」
と呼ばれ、私はその都度、
「名前で呼んでいただけますか」
とお願いすると、
「ええええ~!」
と驚かれることもしばしばありました。
「前にいた薬剤師の先生を名前にさん付けで呼んだら、「先生とお呼び!」って怒られたのに。。。」
とまで言う人も。(苦笑)


他の薬剤師さんを私が先生と呼ぶことには抵抗ありませんが、私は、先生と呼ばれるような経験も知識も持ち合わせていないと思っています。
そして、他のお店のスタッフの方や、患者さんとの関係においては、常に対等でありたいと考えています。
医学・薬学的な知識としては、もちろん専門家として確かなものを持ち合わせ、必要に応じて提供していく必要がありますが、
実際、我々医療者が、患者さんやその他スタッフから学ぶことは非常に沢山あります。

だから、一昔前の日本で当たり前だった、お任せ医療でなく、
患者さんが、本当に求めている健康で安心して生活できる環境作りのお手伝いをするためにも、よりよい店舗作りのためにも
薬剤師が一方的に指導する「先生」ではいけないのではないかなぁ、と思うのです。


もちろん、薬剤師は、学生や後輩を育てる責任があり、また、社会において最新の情報を精査し、伝える役割を担っている、という意味では教育者でなければならないのですが。


まぁ、そうはいっても、郷に入っては郷に従え、という言葉もありますので、しばらく様子を見てみてることにしましょう(^^)





Tuesday, April 26, 2011

災害医療支援に興味のある薬剤師さんへ

NPO医療教育研究所のウェブサイトにて、特別講座が公開されています。


これは、

「今回の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の復興支援のため、全国から
多くの薬剤師さんが被災地に向われており、ボランティア活動希望の薬剤師さんの熱い思いを生かすために、まず災害医療の基本的な事項を学んで頂き、被災地で活動して頂きたい」

という、提供者の思いのもと公開されています。


NPO医療教育研究所のホームページは次のとおりです。
URL:http://www.ime.or.jp

配信しているページは以下になります。
URL:http://www.ime.or.jp/koukai/koukai_sp.html


1講座約30分で、公開期間は3月25日~6月30日を予定しているそうです。

Sunday, April 24, 2011

国家資格


「金沢はどう?」と聞かれると、私は決まって
「いいところだよ~人も親切だし、食べ物はおいしいし。。。」と話します。


こちら金沢おでん。独特のだしと味付け。具も東京とは違います↓


こちらはガスえび、ぶり、万寿貝のさしみ↑


こんなおいしい、北陸名物をご紹介くださったのは、前職のグループ会社の専務さまと薬学生向けの雑誌の編集者の方です。

さてさて、そんなおいしいシアワセなひと時を彩った話題は、様々でしたが
その一つが、今回の災害に関して。


薬剤師である専務さまは、被災地で救援をされてきました。
報道では伝えきれない、現地の状況を伝えてくださいました。

その経験から、彼が強く思うことは、

「薬剤師とは、国家資格であるということ。」
「では、国家資格とは一体何なのか」

ということでした。

「被災地支援に最も貢献しているのは誰か。それは自衛隊であると現地を見ていて改めて認識した。彼らは決して個人として賞賛されたり名前がでることはないが、それでも任務を全うしている。被災者に寝床、温かい食事や風呂を提供しても、自分たちはカンパンを食べ、過酷な状況で任務に当たっている。」

「国から認められた、薬剤師、という資格も、国が有事の際には、当然の任務として貢献するべきでないのか」

「ただ現実は、被災地に薬剤師を派遣するという提案が業界団体からきたときに、手を上げた会社は非常に少なかった。会社はNGでも個人で行きたいという人もいたけれど。。。」



ほろ酔い気分の私が、話をきちんと理解し記憶していれば、このような趣旨のことをおっしゃっていたと思います。


その通りだ、と思います。

まず、国は安全保障として、医療人材を備蓄するという考えが必要ではないか。
普段、医療に従事していない、資格を眠らせている人々に対しても、緊急時にその力をこうしできるように、最低限の生涯教育を資格要件とすべきではないか。

また、災害時に必ず必要となる、医薬品の需要と供給をマネジメントできるエキスパートを育成する必要性も強くある。
この問題は、各国で災害が起こると毎回、言われてきたことであるが、また今回も多くの必要な医薬品が必要な人に届いていないまま、倉庫で山積みになっている現状があるようだ。


また、医療者を雇用している経営者は、医療者は一社員であると同時に、公的な役割を担っているということを再度認識し、緊急時には積極的に提供できる体制を整えておくべきでないか。


そして最後に、これは災害時に限ったことでないが、今回あらためて思ったこと。
薬剤師はカウンセリングスキルをもっと強化する必要がある。
形式だけのテクニックではなく、マインドを育てることが求められている。
だれよりも人々の身近で、話を聞き、その人が次の一歩を踏み出すことの手伝いができるのは
薬剤師である。

Friday, April 22, 2011

交通安全と薬剤師の役割 Road safety and role of pharmacist

私がまだ、国際薬学生連盟で活動していたころ、

世界保健デー(4月7日)のテーマが「交通安全」の年がありました。
http://www.who.int/world-health-day/previous/2004/en/

そして、一年を通して、各国で、健康に関するキャンペーンを行っていた私たちはもちろんその年も、テーマと薬剤師の役割に関して、ポスターを作成して掲示したり、パンフレットを配ったり、イベントを開催したりしていました。

はじめ、「交通安全と薬剤師の役割」
といわれてもピンと来ませんでした。

しかし、各国の薬学生と活動について話し合う中で、

ある種の薬は副作用で眠気がでることから、車の運転や機会操作、高所作業をする人に対して適切な服薬指導が必要であること

また、飲酒運転の防止などに関しても薬剤師が関われるであろう、という意見がでました。


このたび、栃木県で、小学生の列に重機が突っ込み6名の児童が亡くなるという痛ましい事件がありました。
事件発生当初から数百メートルの道のりで居眠りをするのは非常に不自然であると感じていました。人によっては、突然失神する体質・疾患を持っている方もいるので、そのような持病がある人ではないか、と思っていました。

そして、明らかになった事実としては、てんかんの持病があったこと。
また前夜に薬を飲み忘れ、当日の朝服用していたことがわかりました。

薬、または疾患と事件の直接の因果関係はまだ不明ですが、

このように、薬や疾患が、自分の命だけでなく、他人の命を奪う原因になるということも視野に入れて、薬剤師は、人々に対して適切な情報提供や指導を行わなければならないと、改めて感じさせられる事件でした。

被害にあわれた方々には心よりご冥福をお祈りします。

Wednesday, April 13, 2011

それでもあなたはネットで薬を買いますか。



一般用医薬品(OTC)のインターネット販売の規制緩和が今回見送られました。
理由は震災の影響で各省庁の調整がつかなかったからとか。


一般用医薬品のネット販売に関して、主に議論されている内容は、
利便性と安全性。

今日はこの安全性について着目してみたいと思います。
この話題において、議論の中心はもっぱら、

「医薬品の販売の基本は対面販売である。適切な情報提供で消費者の健康被害を防げる」
といった部分ばかりが強調されています。

だから、
「店頭で医薬品を購入しても大して説明なんてしてないじゃん」
とか、
「ネットでも文章で適切に医薬品の情報は提供できる」
とか、
そんな風に反論されてしまうわけです。


でも、この医薬品のネット販売の危険性の本質はそこではないと思います。


みなさん、インターネットで手に入る医薬品が、薬局薬店で購入する場合と同じものが手に入ることを前提に話をすすめていませんか。


偽造医薬品(Counterfeit Medicine)をご存知ですか。
偽造医薬品とは、本物の製造者以外の誰かが、本物の薬に似せて作ったもので、有効成分が異なるものや有効成分の量が少なかったり多すぎたり、偽者の容器に入っていたり、模造した表示を貼り付けたものなどです。

例えば、有名な頭痛薬のパッケージに入っていて、見た目も全く本物のような白い錠剤。
しかし実際成分を調べてみたら、デンプンしか入ってなかった。。。
といったような。

このニセモノの薬によって、直るはずの病気が治らなかったり、有効成分が多すぎて亡くなる人や、有害成分によって障害をもたらされた人などがいます。


偽造医薬品の流通は、日本を含む先進国では1%以下です。
これは、日本では医薬品の流通ルートが限られていて、誰でも自由に参入できる状態ではないからです。

しかし、インターネット上ではどうでしょう。
ある種の医薬品ではネット上で流通する50%以上の薬がニセモノである、というデータも上がっています。
また、インターネット上で、住所を明らかにしていない不法サイトから流通している医薬品の50%以上が偽造医薬品というWHOの調査もあります。



ED治療薬や、発毛・育毛促進剤、妊娠検査薬や排卵日検査薬、避妊用ピル、性感染症治療薬などは、人には知られたくない、対面販売で買いにくい商品だということは十分理解できます。

また、離島や山間部その他医療機関や薬局薬店から遠い地域に住まわれている方が毎回何時間もかけて薬を買いに行くのは大変なことだと思います。

だから、利便性を向上することは重要です。
医療は誰にでも平等に与えられるべきだからです。


しかしながら、医薬品の物流と一般物販を同様に考えてはいけません。
医薬品は販売して終わりではありません。
副作用や有害作用が見られたときに、それに対処しなければなりません。
そのときに、その薬は誰が販売したのか、いつ、どこで誰が作ったものなのか、成分は何なのか
知る必要があります。


インターネット上では、簡単に、日本に拠点があるように見せかけて、実は海外から商品を送る、といったことができてしまいます。
問題が発覚してから、出所を追跡することも難しい。

先日、放射線の影響を緩和する治療薬だと謳って、数日で何千万も儲けた人がいましたね。
そういうことが簡単にできてしまうのです。

年末年始にかけて、通販で頼んだおせち料理が写真とは全然違うものだった、という事件がありましたね。
これが薬だったらどうでしょう。
注文した薬と違うものが届いた。。。見た目ではわからなかったから飲んじゃった。。。
恐ろしくないですか。



消費者が、ネット上で、本当に信頼できる販売者か否か、個人で判断することは非常に難しい。
仮に規制を緩和するならば、本当に、正規の販売ルートで医薬品を扱っている業者からしか、消費者が購入できないような制度にしなければならない。


繰り返しになりますが、
便利なものを利用することは悪いことではありません。むしろ、それでアクセスが向上するなら素晴らしい。
ただ、慎重に、検討しなければならない。
なぜなら命は取り返しがつかないから。







































Monday, April 11, 2011

学ぶ喜び

学びたいときに学べる

人間として最高の喜びだと思います。

大学生の時は、勉強が嫌で嫌で仕方ありませんでした。


でも今は、
学ぶ必要性を感じ、
心からやりたいと思えることに思いっきり取り組める環境がある。


学べる環境。

それは決してすべての人に平等に与えられていないのが現状。
だから、今日、この時を感謝して、
社会に還元していけるように。
この気持ちを忘れずに
2年間
金沢で過ごしていこう。

Sunday, April 10, 2011

続く人災

核戦争を止めた3人の医師の話を知っていますか。

旧ソ連とアメリカが冷戦にあった頃、
両国の医師が、
原子力爆弾の健康影響について、科学的根拠に基づいて、わかりやすく
両国のリーダーに説いたことが一つのきっかけとなり、核戦争を食い止めたという話です。


医療者は、直接的医療行為だけでなく、知識を行使することで、
人々の安全や健康を守れるんだ、という大切なことを教えてくれた話です。


犯人探しをしても何も始まりません。

「何も知らなかった。」

そう言えるのはこどもだけ。
知らなかったんじゃなくて、知ろうとしなかった。

そして人々の命を守る立場にある、われわれ医療者は、力及ばなかった。


準備ある者こそが、本当に誰かの役に立てる。
だから今日も、力を蓄え、発揮していきます。

震災。その後

震災が起きてからもうすぐ1ヶ月がたとうとしています。

未だに続く余震。

増え続ける、死者、不明者。

避難生活を続けている多くの人々。

原発からの放射線の影響に脅える日々。


現実と思うにはあまりにもひどすぎる。



安易に言葉を発したくなかった。

どんなに想像力を働かせても、
たとえ、現地に行ったとしても、
辛さは体験した人にしかわからない。


そして、残されたものにとって、これから長い長い道のりが待っている。

私の生まれた日

IPSFで活動を始めてから

世の中には、世界~デーと言うものがあるということを知りました。

有名なのは、12月1日、世界エイズデーとか
5月31日世界禁煙デーとか。

それでもって、


4月7日は、世界保健デー
World Health Dayです。
WHOが設立された日です。

「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的としているそうです。




そんな日に生まれた私。


そして、保健医療を志している私。


なんだか運命を感じます☆







今年のテーマは、薬剤耐性菌:~今日手を打たなければ、明日の治癒は望めない~
世界的に大きな問題となっています。
この問題に対して、薬剤師が担っている役割と責任は大きいです。

Friday, April 08, 2011

感謝の ~28th Birthday!~







HAPPY BIRTHDAY to ME!
陽子がこの世に誕生してから、28年の月日がたちました。
28年。。。
無事、ここまで生きてこれたのは、両親をはじめ、周りでいつも支えてくれている人々のおかげ。
ありがとうございます。

さて、この4月より、金沢へ引っ越しました。
大学院でお勉強しております。

偽造医薬品及び規格外の低品質の医薬品の流通や対策について研究いたします。
順調にいけば、8月ころにフィリピンに現地調査に行く予定です。

金沢はとても好きな都市の一つです。
古きよき町並みや伝統ある寺院などがたくさん残る中、新しい斬新なものも取り入れている、
少し北欧に似ている気がします。
天気が悪いのも、北欧に似てます(苦笑)

食べ物もおいしいし、温泉もあるよ!

ぜひ一度遊びにきてくださいませ。

研究室の先生や学生のみなさんも、みんないい人たちです。

「人生は28歳の時に何をしているかでその後が決まる。」
という話をきいたことがあります。
28歳はどうやら多くの人にとって節目の年のようです。
人生の転機が訪れるのもこのくらいの年のようです。

さて、金沢で過ごす2年間、そしてその後の人生、どうなっていくのでしょう。。。

Thursday, March 10, 2011

ありがとう

勤め先にメールが来た。

「後町という薬剤師がとても熱心に薬について調べてくれて、丁寧に対応してくれて嬉しかった。」

患者さんからのメールだった。応援に行った茨城の店舗で出会った患者さんからだ。


薬や病気について患者さんに説明をするのは当然のこと。
それに対して、感謝されることはあまりない。


私は薬剤師として経験も知識も少なく、力不足で患者さんのニーズにすぐに応えられず、申し訳ない、と思うことが多々ある。

そんななか、このようなメールを頂き、とても嬉しかった。

患者さんが求めているもの。
それは単に、情報ではない。

安心感なのだ。


そんなことに改めて気づかされた出来事でした。

Thursday, March 03, 2011

男心をつかむには。。。

最近は婚活疲労外来なるものまであるそうですよ。
この世の中は一体どうなっているんでしょうか。


さて、東京で生活できるのも、あと一ヶ月足らず。

今のうちに、家族や友達と、いっぱい遊んでおこう!



男心をつかむには、

胃袋をつかめ!

という格言があります。

女心も、意外と胃袋でつかめますよ♪

日本で働くことは

決して楽ではございませんが、

急な出張も

美味しいご飯一つで二つ返事の単純な私(笑)



こんなペーペーペーパー薬剤師をやとってくれて、
学ぶ機会をくださった
この会社と採用担当の方と、紹介してくれた友人には
感謝しきれんほどです。


そして、未熟な私を辛抱強く、待ってくれる患者さん、ありがとう。


はっきり言って、私は調剤に向いておりません。
だっておおざっぱだもん。

でもね、これからの薬剤師の職能は、もっと違うとこにありますよ。
近々、日本の薬剤師も調剤業務から解放され、投薬、服薬指導、在宅、薬物治療計画、検査、初期治療などなどプライマリヘルスケア方面と専門性の高い治療分野へ移行していくでしょう。
さらには、政策提言ももっとしてかねばね。

決して、保守的な利権争いでなく。社会の人々のための医療を実現しようよ。

そうじゃなきゃ。

いるいみないっしょ、ってなっちゃうよ。

優秀な人材はどんどん海外に流出しているし。

最終的に困るのは弱い立場にいる人々なんだよね。


もっと、薬剤師や医療者一人一人が、
生き生きと働ける環境を。
願ってやみません。

Saturday, February 12, 2011

SANTE

みなさま。

世間は3連休ということですが、

あいにく、東京でも雪が降っていますね。

さて、

最近、なかなかブログを更新する時間が取れておりません。

なぜなら

日本の時間の流れについていけてない自分がいるからです。



最近、SANTEという団体を知りました。


国際保健の人材を育成、キャリア構築支援をすることで、地域の人々、延いては世界の人々が必要な医療にアクセスし、健康に生きていくことのできる社会を目指す団体です。
http://npo-sante.org/index.html


かねてから、薬剤師として国際保健に関わるキャリアの不透明さ、国内での評価が低く、生活が安定しないことから、熱い思いを持った多くの若者が、この分野での国際貢献をあきらめている現実を目の当たりにしてきました。

私個人としては行き当たりばったりの人生で、なんとかなるさ~という楽観的な性格もあって、
自分の選択に対して、不安は多少ありつつも、
それよりも、一度きりの人生、やいたいことに挑戦して、楽しみたい!という思いの方が強いので、
一般的なケースには当てはまらないのですが。
実際、健康面でも、金銭面でも、環境的にも、周りの理解者や支援者を見ても、恵まれているからできている、という事実もあります。

それでも、夢を持った、同世代の薬学に関わる人々の、何かの参考になれば、と思い、日々、情報発信を心がけています。


そんな私の思いと、このSANTEという団体の目指す社会は全く同じではないにしろ、共通する部分がたくさんあるのです。なので、この団体を応援しようと思いました。

まだまだ始まったばかりの団体ですが、大きな可能性を秘めた団体だと感じています。

Wednesday, February 09, 2011

ドラッグストアから世の中をみる


年末年始。

年中無休。

「ドラッグストアの薬剤師なんて、雑用的な仕事ばかりで、専門性が活かせないんじゃないの?」

そう思っているあなたは、一昔前の時代を生きています。

現代の、そしてこれからの調剤併設ドラッグストアは違います。


大きな可能性を秘めています。



調剤業務はもちろん、

OTCや健康相談、

在宅医療

さらには終末期に対応出来る無菌調剤室まで。

年中無休なので透析患者さんなどにも対応しています。


夜間や休日など医療機関がやっていないときは、初期対応や医療機関への紹介もします。




また、医療だけでなく、地域の人々の生活がそこにあります。


介護に悩む家族の姿。


初めての子育てで不安を抱えるお母さん。

夏休みや冬休みになると、中高生が、ヘアカラー剤やピアスの穴あけを買いにきたり。

シーズンに応じて売り場作りもします。ちょっと前は風邪対策、今は花粉症、乾燥対策など。


地域において、専門知識を持った、専門家が、常に身近に、あらゆる健康の相談に乗ってくれる環境があったら、いいな、と素直に思うのです。







もっと力をつけて、戻ってきたいと思える職場です。


















Wednesday, January 05, 2011

あけまして、2011

みなさま


遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年、8月末に、協力隊としての任期を終え、帰国しました。
いま思うと、ガーナでの生活はなんだか夢のようです。

多くのことを学ばせて頂きまさした。
豊かさとは何なのか、幸せとは何なのか。
相手を想い、考えることで、見えてきたのは、相手のことだけでなく、
自分という人間でした。

ものは溢れているけれど、人間関係が希薄で、
何でも簡単に手に入ってしまう日本。

日々の生活に労力が必要だけど、家族や近所が仲良く、
想いあい、助け合うガーナの人々。朝から晩まで笑ってる。

何をもって、発展というのか?

私たち、日本人は大切ものを見失っていないか?

便利さを求めすぎて、人間の能力が退化してないか?

命とは人生とは、どうあるべきなのか。
寿命が短くても、その時を懸命に生きて、死を自然で必然のこととして
受け入れるガーナはより人間的なのではないか。

そんな風に思います。


















現在