Tuesday, November 22, 2016

受け継がれる想い



学生時代に数名の友人と、手探りで何とか形にしたAPS-Japan.

10年以上たった今も、その想いは、多くの優秀な後輩達によって受け継がれているようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161121-00000004-cbn-soci

彼らが社会に出てからも、熱い想いを持ち続け、実現につなげられるよう、そして薬剤師になってよかったと思ってもらえるように、薬剤師の可能性を示していきたいと思います。

Sunday, October 30, 2016

今月発表された「第10回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」の結果がオモシロイ(◍•ᴗ•◍)ノ☆
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/survey/…/10_all.pdf

●生活者が入手したい処方薬情報上位は
「薬の副作用」「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特長」「薬の飲み合わせの注意」
●医療関係者からの説明上位は
「薬の服用方法」「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特長」
→患者側の情報ニーズとのギャップが大きいのは
「薬の副作用」「薬の飲み合わせの注意」

●生活者の処方薬の情報源は「インターネット(ウェブサイト)」が圧倒的に多い!
インターネットでの情報入手率が高いのは60代

Friday, October 28, 2016

日本で「頭脳流出」の問題を叫んでもピンと来ない~外国からの介護人材受け入れから考える~

先日KBSの授業で、外国からの介護人材の受け入れについてディスカッションをしたとき、途上国における頭脳流出を問題視して、反対意見を述べました

しかし、私の熱い想いに反して、クラスの人達は、あまりピンと来ていない様子でした(自分の感覚のズレを再認識…(汗))
私以外に発言した人は、医師などの医療関係者やビジネス関係者でしたが、
現場レベルでの文化の違い等に関する懸念を挙げた人はいたものの、
おおむねみなさん賛成意見で、どちらかというと積極的に受け入れる、という考えのようでした

おそらく私の説明も十分ではなかったのですが、
発言の背景としては、ガーナに住んでいた頃、圧倒的な医療人材の不足により、医療提供体制が整わないために
多くの助からない命を見てきて

それを解消しようと、公費を注ぎ込んで優秀な人材を育てても
米国・英国をはじめとする先進国に毎年それ以上の人材が流出し、
国内の医師・看護師数は過去10年でまったく増えていない、という状況に
ものすごい理不尽さを感じ、また自分の無力さを痛感した経験から
この問題に対しては、個人的な想いが強すぎるのかもしれません

また、アジアとアフリカの経済や医療の状況は異なるので一括りにはできないのですが、本質は同じだと考えています

もちろん日本の介護人材不足は深刻で、年々需要が増す中で
その確保は急務であることは確かです

しかし、日本に介護人材として来る途上国の主な人々は、現地の看護師等なんですよね
そして、これらの送出国では、前述のように、日本以上に医療人材が不足しています
日本の人材不足からは考えられないレベルの人材不足です

少し古い数字で恐縮ですが、米国や英国など、途上国の医師や看護師を受け入れている国々の10万人に対する看護師数は700~900+、送出国であるフィリピンなどではその約半数以下とみられています
Linda H. Aiken, et al. Trends In International Nurse Migration, Health Affairs, 2004
日本の対10万人就業看護師数は、2014年度で855人、准看護師を合せると1000人超なので、米英などと同水準といえると思います

総数でみるとわかりにくいかもしれませんが、途上国における都市圏と地方の経済格差は、日本より格段に大きいので、多くの場合、医療人材も都市に集中しており、無医・無医療者地域がとくに地方にたくさんあるのです

要するに、自国の人材不足のために、自国よりさらに人材が不足している国から、その国の医療等を担う貴重な人材を受け入れるという発想は本当に最善なのだろうか、ということです
正解があるわけではありませんが、かなり慎重になる必要があると思いますし、もっと議論されるべき問題だな、と思っています

国際移住期間のページにわかりやすい解説があったので興味のある方はご覧ください
http://www.iomjapan.org/act/act_021.html







Sunday, October 16, 2016

進路を決めなければいけないのに、何がしたいかわからない

就職活動が始まっているのに、自分が何がしたいかわからない!
と悩んで悩んで、脳みそが捻れそうな薬学部の学生さんの悲鳴が
このブログを通してしばしば聞こえてきます

薬学部で提示される進路は、
行政、医薬品関連企業、病院、薬局などへの就職、もしくは進学が主
それに疑問がなければ、
「医療現場で患者さんを救いたい」から病院に就職するとか
「薬の研究開発がしたい」から進学、もしくは製薬企業へ就職するとか
提示された中のどれかと、自分のやりたいことや興味のあることとを
結びつけて、業種を決め、会社や所属先を選択していくことができます

でも、そういったいわゆる”薬学生の進路”に自分が当てはまらないことに気づいてしまうと、そこから「何がしたいかわからない」悩みスパイラルが始まります

何がしたいか、見つける方法はシンプルで、
とにかくいろいろなことを経験することです。これは狭い意味では職場のインターンシップなどを含みますが、
仕事に限った話ではなく、趣味や遊びも含めて、自分に情熱が湧いたり、ワクワクしたりするのはどんなときなのか、経験を重ねるとその共通性が見えてきます。
その共通性がわかれば、自分のモチベーションがどこから来ているのかわかってくるので、それが得られそうな進路選択をすることができます
しかし、これをやるには膨大な時間が必要なので、すでに就職活動が始まっている学生には時間が足りないかもしれません

ではその不足はどうやったら埋められるか
その答えの1つは、人生の先輩達にひたすら会うことです
すでに経験しまくっている人の話を聞くことで、
ある程度の補足が可能です
その時、その先輩達の仕事についてみるポイントとして「何をしているか」も大事ですが、「何のために働いているか」を聞くことがもっと重要です

「何をしているか」は仕事において、何かを達成するための手段なので、変動的なものです。それだけをみて自分に置き換え、やりたい、やりたくないを判断すると、行き詰まった時に立ち直りが難しくなります。しかし、自分のなかで、「何のために働くか」がはっきりしていれば、仕事でつまづいても、そこに立ち返ることができ、それが自分を支えてくれます。もちろん、人は全員違う生き物なので、他人の経験は参考の域を超えることはありませんが、その点で共感できる先輩に出会うことができたら、自分の中での「何のために働くか」を見つけることにも近づいていくと思います

最後に、大学を卒業するまでに誰もが、「何をしたいか」をちゃんとわかっているか、というとそんなことはありません。一般的にはむしろわかってない人のほうが多いくらいではないでしょうか。それがあったとしても、多くの場合、それは経験とともに変化します。なので、進路選択と「何をしたいか」を見つけることはイコールではありませんし、就職・進学には当然、考慮するその他の条件もいろいろあります。自分の人生を何にかけるか、はもう少し長い目で考えていく、という考えもありだと私は考えています。その場合は進路としては、その後の可能性が広がるような、選択をするとよいと思います

ただ、就職活動自体には期限があります。薬剤師免許を持っていると、転職ができるからと、安易に就職先を決めてしまう人もいますが、卒業して、最初の就職先は人生で1度きりの、自分の中での社会人の基本を作る、とても重要な場です。(卒業後すぐにガーナで働き始めたヤツが何を言ってるんだか、という感じですが(汗))この自分自身でも意識しないまま形成される”スタンダード”はその後のキャリア、人生に大きく影響しますので、期限までに納得の進路を見つけるために最大限できることをやることをお勧めします

※より具体的な方法については続編をご覧ください
進路を決めなければいけないのに、何がしたいかわからない その2

Tuesday, September 20, 2016

新しい道が開けるとき

やりたいことがあっても
どうしていいのかわからない

そんな手詰まりになったとき

声を大にして、
これがやりたいと叫んでいると
周りの人達が
助けてくれる

手詰まりになるまで
自分なりに勉強したり
調べたり
もがいた分だけ、
ときにはそれ以上に
力になってくれる人がいる

新しい道が開けるのは
そんなとき

Thursday, September 01, 2016

SDM~患者が求めるコミュニケーションとは

先週、SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング)フォーラム
@京大東京オフィスで、3人の患者団体の代表の方から、医療者とのコミュニケーションにおける問題点と改善のヒントを伺ってきました。自分が病院・薬局にいた頃、一人ひとりの患者さんのこと、大切にできていたかな、と改めて考えさせられました。

医療者にとっての一番の先生はやはり患者さんですね。

Wednesday, July 20, 2016

父、祖父の母校へ


今日は父、そして祖父の母校である千葉大学のゼミで公衆衛生のお勉強。

両親の出身地、長野県の健康寿命、ソーシャルキャピタルの話になり、ますます縁を感じた1日でした。

研究はやっぱり深く、面白い。


Sunday, July 17, 2016

日在薬@大阪にきております

開始早々から貴重な収穫を得ております

関東以外で開催される学会に参加すると、ここでしか会えない人、聞けない話があるから楽しいですね

長距離移動に伴う隙間時間が思考をクリアにするので、課題整理にも役立ちます

詳しい報告はまた改めて

Friday, July 15, 2016

“かかりつけ料”は取るべきでない?


この4月から調剤報酬に新設された“かかりつけ薬剤師指導料”

この制度については、賛否両論が聞かれるところだが、ある友人の薬剤師がこんなことを言っていた。

「かかりつけとして患者さんに責任を持つのは薬剤師として当然のことだから、それに関して患者さんからお金を取ることはできない」

とくにこれまで長い間、かかりつけとして責任もって患者さんの薬物療法を一元管理してきた薬剤師からすると、違和感がある、ということだった。

「取らない」という選択は患者さんを想ってこそのことだと思う。
しかし、「当然の仕事だからお金を取らない」というのは診療報酬のしくみから考えるとどうなのだろう?

医療者はみな、目の前の患者に対してある意味医療者として当然のことをして報酬を得ている。
そこで報酬を得られなければ、医療機関も薬局もつぶれてしまう。

ある別の友人の薬剤師は
自ら、この“かかりつけ”の制度を患者に説明してないのに
患者さんのほうから、ぜひかかりつけとして、担当してほしいとお願いされたそうだ

もちろん、何がベストか、現時点でははっきりしていないが、
必要なことならば、それに見合った価値、できればそれ以上の価値を患者さんにわかる形で示していく、という発想も大切な気がしている



Thursday, June 09, 2016

薬局薬剤師主導の臨床試験を

日本に80万人以上が罹患しているといわれている心房細動。
そして、その予後に大きく関わるのが、心房細動によりできた血栓による脳梗塞。
それを予防することが、心房細動患者における治療の大きな目標の1つです。
長年、その治療である抗凝固療法の中心を担ってきたのがワルファリン、そして5年前から立て続けに新規抗凝固薬、いわゆるNOACと呼ばれる薬が登場し、普及しつつあります。

今月の日経メディカル本紙の心房細動診療特集によると、日本の多施設前向き観察研究「J-RHYTHM レジストリー2」では、NOAC群で、血栓塞栓症の累積発生率が有意に低かったそうです。
さらには、副作用である、重大な出血も有意に低かったとのこと。これは非投与群よりも低く、抗凝固療法は出血リスクを増加させるはずなのに、なぜ?という感じですが、これは登録研究なので、それぞれの群で患者背景が異なるためだと考えられます。

上記研究は、循環器専門医がいる基幹病院における試験ですが、地域の医療機関を対象とした「伏見AFレジストリー」では、現時点までの最長5年の追跡においても同様の有益性は認められていないそうです。

レジストリを単純比較することはできませんが、この矛盾の原因として、同誌中で専門家は、地域で治療を受ける患者における服薬不良と減量基準を満たさない低用量投与の可能性を指摘しています。

高度医療機関においては、薬の期待される効果が出ている一方で、地域ではその実現が難しいとすると、どんなにいい薬があったとしても、多くの患者はその恩恵を享受できない可能性があるということになってしまいます。

アドヒアランスの確認、向上、適正な用量設定、これらすべて薬剤師の得意とするところ。
その役割を発揮することが期待されていると思いますし、地域の薬剤師を巻き込んだ臨床試験、さらには、薬局の薬剤師が率いる臨床試験でそれを証明して行くときなのではないでしょうか。




Wednesday, March 30, 2016

10年越しの絆

今月から来月にかけて、IPSF:国際薬学生連盟時代の友人が、海外から3組ほど、日本に遊びに来ます。

IPSF本部役員を卒業してから早10年。
こうして今でも密に、世界中の仲間と繋がれていることは、何よりもの財産です。


Friday, March 25, 2016

国際的な医療人材が日本で育つことの意味

ファーマシストマガジンに新しい記事が掲載されました!(^O^)/

国際的な医療人材が日本で育つことの意味~成田市の医学部新設から考える~
http://www.pharmacist-magazine.com/special/2016/201604.html

国際人材を育てること=外国人への医療、医療ツーリズムではないと思うのです…

Thursday, March 03, 2016

今夜は薬局業界を代表する2大経営者のスペシャル対談MC!

今夜、薬局薬剤師向けの調剤報酬改定インターネットセミナーが開催されます。

https://ppc.carenet.com/live/

僭越ながら、業界を代表する先駆的薬局経営のお二人の対談の司会をさせていただきます。

どうぞお楽しみに!

Thursday, February 25, 2016

ファーマシストマガジンに記事が掲載されました



ここ1年間の、地域で活躍する薬剤師の先輩方への取材を通して感じたことをまとめました。


http://www.pharmacist-magazine.com/special/2016/201603.html


「機械やIT技術では代替できない薬剤師の価値はどこにあるのか 」(ファーマシストマガジン)


高度な専門性や新しいことも大切ですが、今、薬剤師に求められているのは、もっと身近で基本的なことのような気がしています。

Monday, January 18, 2016

薬剤師の「受け身」からの脱却を考える

 先日、H28年度診療報酬改定の骨子が発表された。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000109233.pdf
 「在宅医療で、疑義照会によって処方変更がされれた場合を評価」という項目が追加されそうだ。


 医師と薬剤師の協業を進めることは、安全で効果的な薬物治療を進めていくために必要なことだと思う。しかし、疑義照会とは、医師が処方を決定した後に、薬剤師がその処方内容について問い合わせることだ。患者にとって、よりよい薬物治療を提案することは大切なことだが、これは本当に最善な方法なのだろうか。
 
 医師が熟考した末に決めた処方を、時間がったってから覆すのは、医師にとっても薬剤師にとっても簡単なことではなく、また、在宅医療にかかわる医師であれば、問い合わせをした時に別の患者への訪問中で、問い合わせを受けた患者の情報を持ち合わせていないこともあるかもしれない。

 病院で勤務していた頃、ある程度、関係性が構築できた後は、医師の方から、処方を決める前に薬剤師に相談してくれることがよくあった。在宅医療においても、本当は処方が決まる前に提案・協議した方が、薬剤師にとっても、医師にとっても、患者にとっても効率的で効果的なのだろうと想像する。

 薬剤師は"Re-active"な存在から脱却し、"Pro-active"になる必要がある、と海外の薬剤師の友人がよく言っていた。
 日本の薬剤師も、処方せんを受け付けてから、その役割をスタートさせるのではなく、その前にいかにかかわることができるか、真剣に考え、示していくときだと思う。







Sunday, January 03, 2016

2016年、明けました!


2016年、明けましたね!

2015年は、多くの尊敬する方々と出会い、
共に過ごすことができた幸せな年でした

今の会社に勤めて1年が経過しましたが、
自社が運営する薬剤師教育サイトを、私に乗っ取られた!と
上司からお褒めのお言葉を頂戴するほど、
さまざまなチャンスと活躍の場を与えて頂き感謝しています

今年は、足元を固めつつ、
自身のキャリアの方向性をより明確にしていくべく
得意分野を生かした仕事の強化、
また、現場に足を運び、中央や海外の動向を把握し、
現場に役立つ情報を発信していきたいと思います

また、専門書以外の本を読むこと、
そろそろお弁当のおかずがワンパターンすぎるので(汗)
料理のレパートリーを増やす、
あと、人前で楽器を演奏できるようになりたいな〜

こうして年が変わる際に、1年を振り返り、
心新たに、自分に向き合うというのは素晴らしい文化ですね


2016年が笑顔に溢れ、皆様にとって幸多き年となりますように!