Tuesday, April 26, 2011

災害医療支援に興味のある薬剤師さんへ

NPO医療教育研究所のウェブサイトにて、特別講座が公開されています。


これは、

「今回の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の復興支援のため、全国から
多くの薬剤師さんが被災地に向われており、ボランティア活動希望の薬剤師さんの熱い思いを生かすために、まず災害医療の基本的な事項を学んで頂き、被災地で活動して頂きたい」

という、提供者の思いのもと公開されています。


NPO医療教育研究所のホームページは次のとおりです。
URL:http://www.ime.or.jp

配信しているページは以下になります。
URL:http://www.ime.or.jp/koukai/koukai_sp.html


1講座約30分で、公開期間は3月25日~6月30日を予定しているそうです。

Sunday, April 24, 2011

国家資格


「金沢はどう?」と聞かれると、私は決まって
「いいところだよ~人も親切だし、食べ物はおいしいし。。。」と話します。


こちら金沢おでん。独特のだしと味付け。具も東京とは違います↓


こちらはガスえび、ぶり、万寿貝のさしみ↑


こんなおいしい、北陸名物をご紹介くださったのは、前職のグループ会社の専務さまと薬学生向けの雑誌の編集者の方です。

さてさて、そんなおいしいシアワセなひと時を彩った話題は、様々でしたが
その一つが、今回の災害に関して。


薬剤師である専務さまは、被災地で救援をされてきました。
報道では伝えきれない、現地の状況を伝えてくださいました。

その経験から、彼が強く思うことは、

「薬剤師とは、国家資格であるということ。」
「では、国家資格とは一体何なのか」

ということでした。

「被災地支援に最も貢献しているのは誰か。それは自衛隊であると現地を見ていて改めて認識した。彼らは決して個人として賞賛されたり名前がでることはないが、それでも任務を全うしている。被災者に寝床、温かい食事や風呂を提供しても、自分たちはカンパンを食べ、過酷な状況で任務に当たっている。」

「国から認められた、薬剤師、という資格も、国が有事の際には、当然の任務として貢献するべきでないのか」

「ただ現実は、被災地に薬剤師を派遣するという提案が業界団体からきたときに、手を上げた会社は非常に少なかった。会社はNGでも個人で行きたいという人もいたけれど。。。」



ほろ酔い気分の私が、話をきちんと理解し記憶していれば、このような趣旨のことをおっしゃっていたと思います。


その通りだ、と思います。

まず、国は安全保障として、医療人材を備蓄するという考えが必要ではないか。
普段、医療に従事していない、資格を眠らせている人々に対しても、緊急時にその力をこうしできるように、最低限の生涯教育を資格要件とすべきではないか。

また、災害時に必ず必要となる、医薬品の需要と供給をマネジメントできるエキスパートを育成する必要性も強くある。
この問題は、各国で災害が起こると毎回、言われてきたことであるが、また今回も多くの必要な医薬品が必要な人に届いていないまま、倉庫で山積みになっている現状があるようだ。


また、医療者を雇用している経営者は、医療者は一社員であると同時に、公的な役割を担っているということを再度認識し、緊急時には積極的に提供できる体制を整えておくべきでないか。


そして最後に、これは災害時に限ったことでないが、今回あらためて思ったこと。
薬剤師はカウンセリングスキルをもっと強化する必要がある。
形式だけのテクニックではなく、マインドを育てることが求められている。
だれよりも人々の身近で、話を聞き、その人が次の一歩を踏み出すことの手伝いができるのは
薬剤師である。

Friday, April 22, 2011

交通安全と薬剤師の役割 Road safety and role of pharmacist

私がまだ、国際薬学生連盟で活動していたころ、

世界保健デー(4月7日)のテーマが「交通安全」の年がありました。
http://www.who.int/world-health-day/previous/2004/en/

そして、一年を通して、各国で、健康に関するキャンペーンを行っていた私たちはもちろんその年も、テーマと薬剤師の役割に関して、ポスターを作成して掲示したり、パンフレットを配ったり、イベントを開催したりしていました。

はじめ、「交通安全と薬剤師の役割」
といわれてもピンと来ませんでした。

しかし、各国の薬学生と活動について話し合う中で、

ある種の薬は副作用で眠気がでることから、車の運転や機会操作、高所作業をする人に対して適切な服薬指導が必要であること

また、飲酒運転の防止などに関しても薬剤師が関われるであろう、という意見がでました。


このたび、栃木県で、小学生の列に重機が突っ込み6名の児童が亡くなるという痛ましい事件がありました。
事件発生当初から数百メートルの道のりで居眠りをするのは非常に不自然であると感じていました。人によっては、突然失神する体質・疾患を持っている方もいるので、そのような持病がある人ではないか、と思っていました。

そして、明らかになった事実としては、てんかんの持病があったこと。
また前夜に薬を飲み忘れ、当日の朝服用していたことがわかりました。

薬、または疾患と事件の直接の因果関係はまだ不明ですが、

このように、薬や疾患が、自分の命だけでなく、他人の命を奪う原因になるということも視野に入れて、薬剤師は、人々に対して適切な情報提供や指導を行わなければならないと、改めて感じさせられる事件でした。

被害にあわれた方々には心よりご冥福をお祈りします。

Wednesday, April 13, 2011

それでもあなたはネットで薬を買いますか。



一般用医薬品(OTC)のインターネット販売の規制緩和が今回見送られました。
理由は震災の影響で各省庁の調整がつかなかったからとか。


一般用医薬品のネット販売に関して、主に議論されている内容は、
利便性と安全性。

今日はこの安全性について着目してみたいと思います。
この話題において、議論の中心はもっぱら、

「医薬品の販売の基本は対面販売である。適切な情報提供で消費者の健康被害を防げる」
といった部分ばかりが強調されています。

だから、
「店頭で医薬品を購入しても大して説明なんてしてないじゃん」
とか、
「ネットでも文章で適切に医薬品の情報は提供できる」
とか、
そんな風に反論されてしまうわけです。


でも、この医薬品のネット販売の危険性の本質はそこではないと思います。


みなさん、インターネットで手に入る医薬品が、薬局薬店で購入する場合と同じものが手に入ることを前提に話をすすめていませんか。


偽造医薬品(Counterfeit Medicine)をご存知ですか。
偽造医薬品とは、本物の製造者以外の誰かが、本物の薬に似せて作ったもので、有効成分が異なるものや有効成分の量が少なかったり多すぎたり、偽者の容器に入っていたり、模造した表示を貼り付けたものなどです。

例えば、有名な頭痛薬のパッケージに入っていて、見た目も全く本物のような白い錠剤。
しかし実際成分を調べてみたら、デンプンしか入ってなかった。。。
といったような。

このニセモノの薬によって、直るはずの病気が治らなかったり、有効成分が多すぎて亡くなる人や、有害成分によって障害をもたらされた人などがいます。


偽造医薬品の流通は、日本を含む先進国では1%以下です。
これは、日本では医薬品の流通ルートが限られていて、誰でも自由に参入できる状態ではないからです。

しかし、インターネット上ではどうでしょう。
ある種の医薬品ではネット上で流通する50%以上の薬がニセモノである、というデータも上がっています。
また、インターネット上で、住所を明らかにしていない不法サイトから流通している医薬品の50%以上が偽造医薬品というWHOの調査もあります。



ED治療薬や、発毛・育毛促進剤、妊娠検査薬や排卵日検査薬、避妊用ピル、性感染症治療薬などは、人には知られたくない、対面販売で買いにくい商品だということは十分理解できます。

また、離島や山間部その他医療機関や薬局薬店から遠い地域に住まわれている方が毎回何時間もかけて薬を買いに行くのは大変なことだと思います。

だから、利便性を向上することは重要です。
医療は誰にでも平等に与えられるべきだからです。


しかしながら、医薬品の物流と一般物販を同様に考えてはいけません。
医薬品は販売して終わりではありません。
副作用や有害作用が見られたときに、それに対処しなければなりません。
そのときに、その薬は誰が販売したのか、いつ、どこで誰が作ったものなのか、成分は何なのか
知る必要があります。


インターネット上では、簡単に、日本に拠点があるように見せかけて、実は海外から商品を送る、といったことができてしまいます。
問題が発覚してから、出所を追跡することも難しい。

先日、放射線の影響を緩和する治療薬だと謳って、数日で何千万も儲けた人がいましたね。
そういうことが簡単にできてしまうのです。

年末年始にかけて、通販で頼んだおせち料理が写真とは全然違うものだった、という事件がありましたね。
これが薬だったらどうでしょう。
注文した薬と違うものが届いた。。。見た目ではわからなかったから飲んじゃった。。。
恐ろしくないですか。



消費者が、ネット上で、本当に信頼できる販売者か否か、個人で判断することは非常に難しい。
仮に規制を緩和するならば、本当に、正規の販売ルートで医薬品を扱っている業者からしか、消費者が購入できないような制度にしなければならない。


繰り返しになりますが、
便利なものを利用することは悪いことではありません。むしろ、それでアクセスが向上するなら素晴らしい。
ただ、慎重に、検討しなければならない。
なぜなら命は取り返しがつかないから。







































Monday, April 11, 2011

学ぶ喜び

学びたいときに学べる

人間として最高の喜びだと思います。

大学生の時は、勉強が嫌で嫌で仕方ありませんでした。


でも今は、
学ぶ必要性を感じ、
心からやりたいと思えることに思いっきり取り組める環境がある。


学べる環境。

それは決してすべての人に平等に与えられていないのが現状。
だから、今日、この時を感謝して、
社会に還元していけるように。
この気持ちを忘れずに
2年間
金沢で過ごしていこう。

Sunday, April 10, 2011

続く人災

核戦争を止めた3人の医師の話を知っていますか。

旧ソ連とアメリカが冷戦にあった頃、
両国の医師が、
原子力爆弾の健康影響について、科学的根拠に基づいて、わかりやすく
両国のリーダーに説いたことが一つのきっかけとなり、核戦争を食い止めたという話です。


医療者は、直接的医療行為だけでなく、知識を行使することで、
人々の安全や健康を守れるんだ、という大切なことを教えてくれた話です。


犯人探しをしても何も始まりません。

「何も知らなかった。」

そう言えるのはこどもだけ。
知らなかったんじゃなくて、知ろうとしなかった。

そして人々の命を守る立場にある、われわれ医療者は、力及ばなかった。


準備ある者こそが、本当に誰かの役に立てる。
だから今日も、力を蓄え、発揮していきます。

震災。その後

震災が起きてからもうすぐ1ヶ月がたとうとしています。

未だに続く余震。

増え続ける、死者、不明者。

避難生活を続けている多くの人々。

原発からの放射線の影響に脅える日々。


現実と思うにはあまりにもひどすぎる。



安易に言葉を発したくなかった。

どんなに想像力を働かせても、
たとえ、現地に行ったとしても、
辛さは体験した人にしかわからない。


そして、残されたものにとって、これから長い長い道のりが待っている。

私の生まれた日

IPSFで活動を始めてから

世の中には、世界~デーと言うものがあるということを知りました。

有名なのは、12月1日、世界エイズデーとか
5月31日世界禁煙デーとか。

それでもって、


4月7日は、世界保健デー
World Health Dayです。
WHOが設立された日です。

「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的としているそうです。




そんな日に生まれた私。


そして、保健医療を志している私。


なんだか運命を感じます☆







今年のテーマは、薬剤耐性菌:~今日手を打たなければ、明日の治癒は望めない~
世界的に大きな問題となっています。
この問題に対して、薬剤師が担っている役割と責任は大きいです。

Friday, April 08, 2011

感謝の ~28th Birthday!~







HAPPY BIRTHDAY to ME!
陽子がこの世に誕生してから、28年の月日がたちました。
28年。。。
無事、ここまで生きてこれたのは、両親をはじめ、周りでいつも支えてくれている人々のおかげ。
ありがとうございます。

さて、この4月より、金沢へ引っ越しました。
大学院でお勉強しております。

偽造医薬品及び規格外の低品質の医薬品の流通や対策について研究いたします。
順調にいけば、8月ころにフィリピンに現地調査に行く予定です。

金沢はとても好きな都市の一つです。
古きよき町並みや伝統ある寺院などがたくさん残る中、新しい斬新なものも取り入れている、
少し北欧に似ている気がします。
天気が悪いのも、北欧に似てます(苦笑)

食べ物もおいしいし、温泉もあるよ!

ぜひ一度遊びにきてくださいませ。

研究室の先生や学生のみなさんも、みんないい人たちです。

「人生は28歳の時に何をしているかでその後が決まる。」
という話をきいたことがあります。
28歳はどうやら多くの人にとって節目の年のようです。
人生の転機が訪れるのもこのくらいの年のようです。

さて、金沢で過ごす2年間、そしてその後の人生、どうなっていくのでしょう。。。