Wednesday, September 06, 2017

フツーの会社員が「世界最強の仕事術を」読んだら


マッキンゼー式 世界最強の仕事術 (ソフトバンク文庫)、を
どちらかというと世界最弱レベルに近い(?)わたしが読んでみました

もっとも感じたのは、「わたしは問題解決が好きだな」ということ

組織が抱える問題を解決するための秘訣を知ることは、わたしにとってワクワクすることのようです

つい、机上でものごとを考えて、理想論を振りかざしてしまいそうになるのですが
当然、いかなる組織にも限界があります
だからこそ、「実行可能な」提案をしなければ意味がないよねってことですね
(そもそも理想を描いていないのは問題外ですが)

さらには、組織には個々の利害に基づく政治が存在しますので、
関係者への影響を考慮したうえで合意を形成し、提案が受け入れられなければなりません

組織を構成しているのは人であり、
新たな提案はその一人一人の人生を左右しかねないという重みが
提案者の肩にはのしかかっている…
これはコンサルという外部の人間であっても同じ、というか外部の人間だからこそより責任が重いというのは、これを読むまではわかっていませんでした

また、尊敬するできるビジネスパーソンたちが
普段、さりげなくやっているような所作、
たとえば、
相手の言ったことを言い換えて共通理解の確認をすることや
スライドを限りなくシンプルに作ることなどの理由が腑に落ちました

本書に出てくる、秘密保持や情報の取り扱いをはじめとするビジネスポリシーは、
コンサルビジネスにおける緊張感、緊迫感を表しており、
大企業が、マッキンゼーのようなコンサルに大金を支払って、依頼するということは
そのような非常に切羽詰まった状況にあるということなのだと理解しました

求められる人材像は、
「ビジネスにはたった1つの正解はない」ことから
分析的思考ができる、つまり複雑な問題を構成要素に分解でき、漠然とした状況を構造化する方法を知っていること、またビジネス的判断力がある、つまり自分の出す解決策の持つ意味を知っていること、ということでした

これができるようになったら、本質的な課題解決ができるようになるんだろうな、と想像します

元社員の人が「どんな問題にも解決法がある」と言い切っているところは非常に勇気づけられます
(わたしはその領域にはまだ程遠い・・・(゚ε゚))

また、著者は、曖昧な思考、不明瞭な表現、ヒエラルキーなどのコミュニケーション効率を阻害するものは悪であると考えているとのこと。
わたしは物事を穏便に済ませようと、よく曖昧なことを言う傾向があるので、ビジネスにおいては、これは意識をして直していこうと思いました

しかしこういったスキルだけでなく、チームで仕事するために
「一緒に働きたいと思える人柄」も重要である、という点は
当たり前すぎるくらい当たり前ですが…
えらくないもないのにいつも態度だけは大きい私としては…もっと謙虚にならねば、です\(_ _ ;)

また、一会社員としては、
「自分が大きな企てから疎外されていると感じるとき、士気は確実に低下する」という一文に共感しました

一編集者としてはプロフェッショナルとして、「クライアントに真の価値をもたらすためなら、相手が気に入らないことも遠慮せずにいう」という点に関しては、同じだな、と思いました
著名な先生と原稿やコンテンツを作り上げる際も、本当に良いものを作るために、ときに内容や構成、表現について、意見する必要があります(緊張しますが)それでも相手も同じ思いを持っていてくれれば、必ず伝わり、よりよい作品になると信じています

強いてこの本の唯一の弱点を挙げるとするならば、
これは、やる気のある、超優秀な人材が揃っている組織が前提になっていることでしょうか
もちろん、それに当てはまらない個人や組織でも活用できる知識やノウハウはたくさんあると思います
しかし、わたしのような一般人がよく悩むのは、必ずしも組織を構成する人々のモチベーションや能力が高くないケースで、どのように問題を解決するか、というところだったりするので…

最近、100年時代の人生戦略の書籍がベストセラーになっていますが、
人生100年と考えたら、
マッキンゼーの人々のように、大人になってからも2年くらい、がむしゃらに何かに打ち込む、というのも選択肢の1つなのかもしれませんね

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