Sunday, October 30, 2016

今月発表された「第10回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」の結果がオモシロイ(◍•ᴗ•◍)ノ☆
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/survey/…/10_all.pdf

●生活者が入手したい処方薬情報上位は
「薬の副作用」「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特長」「薬の飲み合わせの注意」
●医療関係者からの説明上位は
「薬の服用方法」「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特長」
→患者側の情報ニーズとのギャップが大きいのは
「薬の副作用」「薬の飲み合わせの注意」

●生活者の処方薬の情報源は「インターネット(ウェブサイト)」が圧倒的に多い!
インターネットでの情報入手率が高いのは60代

Friday, October 28, 2016

日本で「頭脳流出」の問題を叫んでもピンと来ない~外国からの介護人材受け入れから考える~

先日KBSの授業で、外国からの介護人材の受け入れについてディスカッションをしたとき、途上国における頭脳流出を問題視して、反対意見を述べました

しかし、私の熱い想いに反して、クラスの人達は、あまりピンと来ていない様子でした(自分の感覚のズレを再認識…(汗))
私以外に発言した人は、医師などの医療関係者やビジネス関係者でしたが、
現場レベルでの文化の違い等に関する懸念を挙げた人はいたものの、
おおむねみなさん賛成意見で、どちらかというと積極的に受け入れる、という考えのようでした

おそらく私の説明も十分ではなかったのですが、
発言の背景としては、ガーナに住んでいた頃、圧倒的な医療人材の不足により、医療提供体制が整わないために
多くの助からない命を見てきて

それを解消しようと、公費を注ぎ込んで優秀な人材を育てても
米国・英国をはじめとする先進国に毎年それ以上の人材が流出し、
国内の医師・看護師数は過去10年でまったく増えていない、という状況に
ものすごい理不尽さを感じ、また自分の無力さを痛感した経験から
この問題に対しては、個人的な想いが強すぎるのかもしれません

また、アジアとアフリカの経済や医療の状況は異なるので一括りにはできないのですが、本質は同じだと考えています

もちろん日本の介護人材不足は深刻で、年々需要が増す中で
その確保は急務であることは確かです

しかし、日本に介護人材として来る途上国の主な人々は、現地の看護師等なんですよね
そして、これらの送出国では、前述のように、日本以上に医療人材が不足しています
日本の人材不足からは考えられないレベルの人材不足です

少し古い数字で恐縮ですが、米国や英国など、途上国の医師や看護師を受け入れている国々の10万人に対する看護師数は700~900+、送出国であるフィリピンなどではその約半数以下とみられています
Linda H. Aiken, et al. Trends In International Nurse Migration, Health Affairs, 2004
日本の対10万人就業看護師数は、2014年度で855人、准看護師を合せると1000人超なので、米英などと同水準といえると思います

総数でみるとわかりにくいかもしれませんが、途上国における都市圏と地方の経済格差は、日本より格段に大きいので、多くの場合、医療人材も都市に集中しており、無医・無医療者地域がとくに地方にたくさんあるのです

要するに、自国の人材不足のために、自国よりさらに人材が不足している国から、その国の医療等を担う貴重な人材を受け入れるという発想は本当に最善なのだろうか、ということです
正解があるわけではありませんが、かなり慎重になる必要があると思いますし、もっと議論されるべき問題だな、と思っています

国際移住期間のページにわかりやすい解説があったので興味のある方はご覧ください
http://www.iomjapan.org/act/act_021.html







Sunday, October 16, 2016

進路を決めなければいけないのに、何がしたいかわからない

就職活動が始まっているのに、自分が何がしたいかわからない!
と悩んで悩んで、脳みそが捻れそうな薬学部の学生さんの悲鳴が
このブログを通してしばしば聞こえてきます

薬学部で提示される進路は、
行政、医薬品関連企業、病院、薬局などへの就職、もしくは進学が主
それに疑問がなければ、
「医療現場で患者さんを救いたい」から病院に就職するとか
「薬の研究開発がしたい」から進学、もしくは製薬企業へ就職するとか
提示された中のどれかと、自分のやりたいことや興味のあることとを
結びつけて、業種を決め、会社や所属先を選択していくことができます

でも、そういったいわゆる”薬学生の進路”に自分が当てはまらないことに気づいてしまうと、そこから「何がしたいかわからない」悩みスパイラルが始まります

何がしたいか、見つける方法はシンプルで、
とにかくいろいろなことを経験することです。これは狭い意味では職場のインターンシップなどを含みますが、
仕事に限った話ではなく、趣味や遊びも含めて、自分に情熱が湧いたり、ワクワクしたりするのはどんなときなのか、経験を重ねるとその共通性が見えてきます。
その共通性がわかれば、自分のモチベーションがどこから来ているのかわかってくるので、それが得られそうな進路選択をすることができます
しかし、これをやるには膨大な時間が必要なので、すでに就職活動が始まっている学生には時間が足りないかもしれません

ではその不足はどうやったら埋められるか
その答えの1つは、人生の先輩達にひたすら会うことです
すでに経験しまくっている人の話を聞くことで、
ある程度の補足が可能です
その時、その先輩達の仕事についてみるポイントとして「何をしているか」も大事ですが、「何のために働いているか」を聞くことがもっと重要です

「何をしているか」は仕事において、何かを達成するための手段なので、変動的なものです。それだけをみて自分に置き換え、やりたい、やりたくないを判断すると、行き詰まった時に立ち直りが難しくなります。しかし、自分のなかで、「何のために働くか」がはっきりしていれば、仕事でつまづいても、そこに立ち返ることができ、それが自分を支えてくれます。もちろん、人は全員違う生き物なので、他人の経験は参考の域を超えることはありませんが、その点で共感できる先輩に出会うことができたら、自分の中での「何のために働くか」を見つけることにも近づいていくと思います

最後に、大学を卒業するまでに誰もが、「何をしたいか」をちゃんとわかっているか、というとそんなことはありません。一般的にはむしろわかってない人のほうが多いくらいではないでしょうか。それがあったとしても、多くの場合、それは経験とともに変化します。なので、進路選択と「何をしたいか」を見つけることはイコールではありませんし、就職・進学には当然、考慮するその他の条件もいろいろあります。自分の人生を何にかけるか、はもう少し長い目で考えていく、という考えもありだと私は考えています。その場合は進路としては、その後の可能性が広がるような、選択をするとよいと思います

ただ、就職活動自体には期限があります。薬剤師免許を持っていると、転職ができるからと、安易に就職先を決めてしまう人もいますが、卒業して、最初の就職先は人生で1度きりの、自分の中での社会人の基本を作る、とても重要な場です。(卒業後すぐにガーナで働き始めたヤツが何を言ってるんだか、という感じですが(汗))この自分自身でも意識しないまま形成される”スタンダード”はその後のキャリア、人生に大きく影響しますので、期限までに納得の進路を見つけるために最大限できることをやることをお勧めします

※より具体的な方法については続編をご覧ください
進路を決めなければいけないのに、何がしたいかわからない その2