シリアで日本人ジャーナリストの山本美香さんが亡くなりました。
いつも社会的に弱い立場にある人々に目を向けていた姿勢にとても共感します。
「無関心は罪である」
で言うことも以前おっしゃっていました。
彼女が亡くならなければ、
シリア情勢がこんなに大きく日本で報道されることはなかったのかもしれない、と思うと
とても皮肉にも思えます。
彼女が亡くなったことで、
彼女の周りや日本の人々が深い悲しみに包まれると同じように
毎日、シリアの戦禍の中で
多くの人々の命が失われ
悲しんでいる人々がいることを
私たちは知らなければいけないと思います。
ガーナにいたころ
隊員だった息子さんを亡くした親御さんに会う機会がありました
「息子が生きているうちに、よくやってるなと誉めてあげればよかった」
といった言葉が印象的でした。
私にも今日も世界の最前線で厳しい状況にある人々を救うために
任務にあたっている友人が何人もいます。
その言葉を思い出し
「あなたのしていることは素晴らしい。そしてどうか無事に帰ってきてほしい」
とすぐにメールを打ちました。
ガーナで生活していた時
2年間で何人もの同僚や友人を亡くしました。
ガーナは幸い平和な国ですが、
やはり日本とは衛生環境も、事故や事件の起こる確率も違います。
人生の中で身近な人の死を
あまり経験してこなかった私にとっては
重い経験だったとともに
人生とは、人の生命とは
考えさせられた日々でした
ガーナで公務に当たる日本人が
生命に関わる病気や怪我をした場合
日本政府は最大限の手を尽くします。
本人に過失があろうとなかろうと
時には、最新の医療設備が整ったヨーロッパまで
緊急輸送して治療を施すこともあります。
一方
普段、我々が一緒に働く現地の同僚に同じことが起きたとき
現地の医療機関が対応します。
大抵の場合、命は助かりません。
同じように日々過ごしている者同士なのに
こんなにも扱いが違うなんて
本当に矛盾だらけです
日本人の命も
戦禍にあるシリア人の命も
同じ一つの命のはず
その尊い命が
今日も失われているということを
山本さんは日本の人々に伝えたかったのかもしれないけれど、
日々、人々の関心は薄れていく
自分もアフリカにいた当時と比べたら
明らかに世界に対する関心が薄れている
大事なことを思い出させてくれた
できごとでもありました。
ありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。
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