Saturday, July 20, 2013

ロンドンからの患者さん

今日はロンドンの病院から患者さんが転院してこられました。
ブリストルのワーファリン3規格をご持参でした。外箱には点字もついてました。欧州は箱出し調剤ですからね。

薬袋には薬がなくなったらかかりつけ医へ行けって書いてありました。
高度医療とプライマリケアの分担がハッキリしてますよね。

それにしても脳梗塞発症したのに注射・点滴なしで内服のみでここまできたそうだけど、それが向こうのスタンダードなのでしょうか。

まだまだ力不足ですが患者さんや同僚の皆さんから学ぶことが沢山あり、楽しい毎日です(*^^*)

Monday, June 10, 2013

ネットで薬を買う前に確認すべき4つのこと

インターネットで一般用医薬品の販売が可能になる見通しのようです。

新しいもの、便利なものが悪いとは言いません。
消費者にとって選択の幅が広がることは望ましいことだと思います。
多様なライフスタイルが存在する現代において、医薬品のネット販売が可能になれば、一定層の医薬品のアクセスは拡大する可能性があります。

ただ、選択を可能にするためには、安全な供給システムの構築と、消費者自身が正しい判断を出来るだけの十分な知識が必要です。

残念ながら現状を見る限りでは、双方が不足しており、インターネットで医薬品販売を安全に行うことは難しい状況にあるように思います。

対面販売とか情報提供がどうとか言う問題の話ではありません。

医薬品販売という特殊な供給体制に関する話です。

みなさんは店頭で一般用医薬品(大衆薬、OTC医薬品)を購入する際に、何を気にしますか?
商品名ですか。値段でしょうか。効能・効果などのキャッチフレーズですか。パッケージのデザインですか。

「この店は医薬品販売許可があるのか」とか
「この薬はホンモノだろうか」

そんなことを疑った事はありますか。

恐らく、ほとんどの人がそんなことを考えた事はないのではないかと思います。

なぜなら、日本の既存の医薬品流通経路は製薬会社→卸→小売りであり、それらは全て国が条件を審査し、販売許可を与えた業者で、それ以外の者が入り込む隙はほぼないからです。
もちろん、全ての業者がルールを守っているか、と言えば、
そうでないこともあります。
しかし、これらの業者は所在が明らかなため、不正が発覚すれば、行政からの指導や許可の取り消しが可能です。

しかし、これがネット上の業者だったらどうでしょうか。
何か問題が起きたり、ルールを守らない業者が存在したとき、
その販売元や所在を特定する事は、困難です。

これがネットで薬を扱う最も難しい点だと考えています。
一般物販だったら、トラブルが起きても、多少損しても構わないかもしれません。

しかし、医薬品の場合、直に消費者の生命にかかわります。
取り返しもつかないし、誰も責任を取ってくれません。

もう一度、ネットで薬を買う前に、みなさんに考えてほしい事があるのでお伝えさせて頂きます。


1、よく使う薬は日頃から常備薬として家に保管しておきましょう。

病気は予防できるなら予防が一番ですが、難しい場合は、例えば、頭痛持ちの方や生理痛のある方は自分にあった痛み止めを、胃腸が弱い方は胃腸薬を。
体調を崩し易い方は栄養剤など。災害対策の観点からも、最低限の医薬品は手元にあった方が助かります。

2、夜間や休日対応をしている薬局やドラッグストアを探しておきましょう。

痛み、かゆみ、不快感など、症状が出ている時は薬はすぐに手に入るに越したことはありません。地域にもよりますが、24時間営業や深夜まで営業している医薬品販売店もありますので、いざと言う時にすぐに行けるように調べておきましょう。

3、急ぎでなければネットで薬を予約して薬局で受け取れるサービスを利用しましょう。

e健康ショップ」では全国1万件以上の薬局から好きなところで、欲しい時に、欲しい薬を受け取れます。送料もかかりませんし、薬剤師から受け取れるので、1類も買えます。正規の医薬品供給ルートなので偽造医薬品の混入などの心配もありません。

4、上記の対策が無理で、どうしてもネットで薬を購入する必要がある方は、

身元と所在がはっきりしている正規の業者から購入しましょう。

販売者の住所、会社名、責任者の氏名、資格者の氏名と電話番号(いざという時ちゃんと繋がって即対応してくれるか?)、医薬品販売業の許可、電話番号、などの連絡先を確認しましょう。

4点目の販売者の住所は特に重要です。
まず、国内の正規の業者であるか確認してください。
日本語サイトでも、元を辿ると海外からの個人輸入のサイトが沢山あります。海外の業者には日本の薬事法は適用されません。不正があっても取り締まれません。薬の品質も不確かです。
また、インターネット薬局で住所不記載のサイトの半分以上が違法サイトであるとWHOも警告しています。http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs275/en/
これらのサイトでは偽造医薬品や品質不良医薬品を販売していることがあり、治療効果がないばかりか健康被害につながる可能性もあります。

そして、医薬品販売に必要な情報提供をしていないサイトや、
医療用医薬品をネット販売している国内の業者は違法サイトです。
値段が極端に安かったり高かったりするサイトには注意をしてください。正規の販売ルートを通してない可能性があります。


基本的に、どこの誰だかわからない相手から医薬品を購入する事は危険です。


最後に、ネットで薬を買う際に、自分の住所、氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号などを販売業者に伝えていると思いますが、自分の個人情報+健康情報全部渡しているというリスクをもう一度よく考えた上で、信頼できる薬のパートナーを探して頂ければ幸いです。






























Friday, May 31, 2013

薬剤師が介入すると地域の人々の健康が改善する

イギリスの調査によると薬剤師が少しだけ介入することで、地域の人々の健康が改善することが示唆されたそうです。

一年間に渡り、循環器系疾患のリスクがある人にアドバイスを続けたら65%の人で体重減少(平均4キロ)が見られたり、半数でコレステロール値の改善やその他心筋梗塞や心不全のリスクも減ったとか。

これにより、医師の負担軽減や医療費削減も望めるかも、とのことです。


イギリスで循環器系疾患に使われる医療費は年間190億ポンド(3兆円くらい?)ということで、今後ますます予防医療や軽疾患への対応による公衆衛生の向上への貢献が求められる流れがあるようです。


原文はこちらから
http://www.guardian.co.uk/healthcare-network/2013/may/30/pharmacy-first-approach-can-improve-health?CMP=twt_gu



Thursday, May 16, 2013

世界の薬学&薬剤師事情


昨年、マイナビさんの薬学生のための就活スタート号2014に執筆した「世界の薬学&薬剤師事情」がオンラインで見れるようになりました!


友人とともに、各国(イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、カナダ、チェコ、ガーナ)の薬剤師を取り巻く状況について書きました!

コンパクトにまとまっているので、就活生以外の方も、どうぞご覧ください(^O^)/

http://jobebook.mynavi.jp/library/14/yakugaku/#page=169





Sunday, May 05, 2013

出会いは人生を変える

生徒から、久々の便りが。

「アメリカ留学、決めました。授業で後町さんの国際協力の話を聞いたことがきっかけです。」



協力隊に行く前から地道に続けて来た活動。少しずつ日本とガーナの子どもたちの未来につながってきているみたい(^^)


Wednesday, May 01, 2013

薬剤師が思っているほど人々は医薬分業について知らない

1ヶ月前から病院で働いています。

同期は58名。

看護師、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療事務、経営企画、医療工学士...

様々な職種の方がいます。

もちろん、院内には、他にも、医師、歯科医師、医療ソーシャルワーカー、医療クラーク、総務経理や施設課などの方もいます。

初期研修も終わり、同期はそれぞれの部署へ配属。

朝から晩まで、みんな奮闘しています。

出勤時や帰りのロッカールームや、お昼の食堂などで時々顔を合わせ、
お互いの様子について語り合う事もしばしば。



そこで、他の職種の人によく聞かれること。



「薬剤科(院内薬局)の人って普段どこにいるの?」

と。


薬剤師には普段病棟ですれ違うが、薬剤師が普段、いったいどこにいるのか、何をしているのか、見えないのだと言う。

それもそのはず。

病院の薬剤部(院内薬局)って、大抵変なところにあることが多いです。

暗い地下室とか。
地上でも、表側でなく、裏側とか。

そういう配置になったには、いろいろ理由もあるみたいなんですけどね。

最近は病棟常駐している薬剤師も多いですかので、以前よりは見えるようになってきたとは思いますが。



うちの病院の薬剤科も、一階にあるものの、人目につきにくい倉庫みたいな位置にあるので、職員ですら、はじめはどこにあるかわからないみたいです。



そうそう、それで
冒頭の話の続きですが。

「薬剤科の人って普段どこにいるの?」と他職種の方(仮にA子さんとします)に聞かれ、

私「一階の薬局だよ」
と答えました。

そうしたら
A子「あー!あの、病院の正面にあるやつ?」

と。


!!!Σ(ーOー)!!!




私「そ、それは調剤薬局だよ。あれは病院の施設じゃなくて、違う人が経営しているものだよ。」

A子「え?そうなの?」

と。

このやりとりはA子さんに限らず、他の人でも同じようなことがありました。


このことから私が思った事は二つ。


一つは、たとえ医療者であっても、薬剤師や薬局について、知らなかったりする。
つまり、薬剤師以外の人からしたら、薬局とか薬剤師って、なんとなく聞いた事や見た事はあるけど、実際は何のために何をしているのか、よくわからない。

これは、そんなに驚くことでもないですが。
私だって、恥ずかしながら、理学療法士や作業療法士の方がどんなことができるのかとか、今の病院に入るまで、そこまできちんと考えた事がありませんでしたし、
医療工学士という職種に関しては、今回初めて聞きましたし。
なので、薬剤師や薬局について、良く知られていないのなら、それは見えるようにして、わかりやすくお伝えしていくまでの事。


問題はもう一つのことです。
医薬分業率が6割を超える現代において
病院で働く人ですら、
院内の薬局と、院外の薬局の区別がよくわからない。
つまりは医薬分業というしくみについて、知らない、という人が結構いるということです。


一般の方で、自身やご家族が入院などのご経験がなければ、病院に薬剤師がいることや、病院の薬剤師が何をしているのか知らないということは、しょうがないことかもしれません。

でも。病院にいる職員にすら、その存在や役割が伝わっていないとすればそれは問題。だってなんだかよくわからない人とは協力しようがありませんから。
(もちろん、うちの病院でも新入職員以外は、薬剤科の場所も薬剤師のことも知っていますが)


さらには、今やコンビニより数が多いという調剤薬局や、
全国に10万人以上いるという薬剤師の大多数を占めている薬局薬剤師について
他の医療者や、一般の方々が、よく知らないという事は
これまた問題かと。


医薬分業とか
チーム医療とか
地域医療とか
在宅医療とか


これからの医療において、薬剤師は欠かせないもの
だって治療の大半を薬物治療が占めていますから
さらに日々、薬物治療は高度化、複雑化しているため
薬の専門家は欠かせません




信じているのが

薬剤師だけだったら
意味ありません



薬剤師の仕事を
もう少し見えやすく
わかりやすくしていきましょう

そして耳を傾けましょう
患者さんや地域の人々、また他職種の声に
そして伝えていきましょう
私たち薬剤師が
何のために
どんなことをしているのか



(ということで、私は細々と各種メディアでの発信、講演や執筆など今後も継続していきます。次の講演予定は、8月東京、10月東京、11月北陸?執筆依頼もちょこちょこ頂いております。また詳細決まり次第お知らせします。)






















地元の病院で働くということ。

大学卒業後、アフリカのガーナへ。そして金沢での研究生活を経て、数年ぶりに地元八王子へ。家族や友人となかなか会える距離にいなかった私にとって、大切な人たちと過ごせる時間がたくさんとれるのは貴重で嬉しい事です。

長年国際的な活動に携わってきた私に、
「なぜ、今、日本で働くのか」
という疑問を投げかける人は少なくありません。

でも、私からしたら、アフリカの人の命も、日本の人の命も、同じ命です。

縁があり、出会い、関わる事になった大切な人々の生命や生活が少しでも幸せなものになるよう、お手伝いをすること、そして少しでもお役にたてるように日々、勉強する事。
やっていることや場所は違っても、私にとっては変わらない事です。

唯一違う事があるとすれば、そこで過ごした時間の長さ、
特に、日本で生まれ育った町は、自分を成長させてくれた大切な場所であり、
育ててもらった恩が他の場所より強くあることでしょうか。


実際、我が家のおてんばさんが落馬して頭を打った際には、うちの病院にお世話になりましたし、
地元の友人や友人の家族が来る事もあります。

そういった時に、
自分が普段、関わっている患者さんたち一人一人にも同じように、
家族がいて、
大切な友達がいて、
日々の仕事があったり
生活があるということを
思い出します。
すごく当たり前のことなんですが、
病院という閉鎖的な空間にいると
そういった当たり前のことが見えなくなったり
いわゆる普通の感覚を忘れそうになったりすることもあります。

日本という国に生まれて、
家族や友人に恵まれ、助けられ
今日まで生きてきた私が
こうして少しでも、仕事を通して地元に恩返しをする機会をもらえるということは
ありがたいことです。








Sunday, April 21, 2013

比較する事は悪か


よく子供がこんな事を言う。

「○○ちゃんだって持ってるんだから、私もあのおもちゃがほしい!」

すると親は

「他の家と比べるんじゃないの!」と叱ったりする。

でも、他と比べる事。
これは本当に悪い事なのか。

日本に生まれ育ち
日本で常識とされていることが、全てだと思っていた。
海外へ出るまでは。

















でも、アフリカのガーナに住んでいた頃
お箸で食事すると、
「なんでそんなめんどくさいもの使ってるんだ。手で食べた方が楽だろ。」
と笑われたり

「あなたはどこの教会に通っているの?」
と聞かれ、
「特定の宗教は信仰していない」と答えると
信仰熱心な彼らにひどく驚かれたり


ヨーロッパの植民地時代の奴隷貿易について話した時には
「私たちは欧米人を恨んではいない。同じ過ちを犯さないために、歴史を心に刻んで生きて行くだけだ」
と、日本と近隣諸国の歴史問題とは大きな考え方の違いがることを知ったり


身近な人が病気やけがをしても、医療を施す環境がないから、何もできないときも

「悲しい事だけど、神様が決めた事。私たちは、亡くなった人のためにも前を向いて一日を大切に生きて行く」
と言う話を聞いたり

今まで自分が信じてきた事
正しいと思っていた事は
日本、またはその地域で暮らす人が決めてきた大多数の人々の価値観の元
作られたものだったと気づいた。

つまりこの世に、絶対的なものって本当に僅かで、
相対的なものが多いということ。

そして、日本の良さ
日本で生まれ育ち
日本人である事のありがたさ

同時に、日本の異常さ
変なところ

外に出て
他のものを見て、比べる事で
自分はなにものか
自分の特徴や特性を
初めて自覚する事ができた。


一定の環境にずっと身を置きながらも
客観性を持つ事は不可能ではないと思う
しかし、それは容易でないと思う。

他を知る事、それは必ず己を知る事につながる
だから
子供や若い人たちには
どんどん新しい世界に飛び出して行ってほしいと思ってる

ただ、
そこで気をつけなきゃ行けない事が一つある

ガーナに住んでいた頃
「日本はいい国だろ。金持ちで便利で何でも手に入って」
「私たちも日本のような国になりたい」
と言われる事があった。
しかし
それを聞いた私の心は複雑だった

ガーナには不便も困難もあるけれど
子供たちは純粋な眼差しで、無邪気に笑いながら走り回り
老いも若きも、富めるものも貧しいものも
みんなで手を取り合い、助け合いながら暮らしていた

一方で
日本はどうだろう、と振り返ったとき
日本は日本でいいろことがあるけれど、
ガーナが日本のように、仮になったとしたら
この子供たちの目の輝きは失われるのではないかと
恐ろしくなった。


冒頭で書いたように、
誰かと自分を比べると

自分にないものに気づく。
そして
それがほしくなる。

新しいものや便利なものに対する憧れ
それはきっと
自然な反応かもしれない


でも、
それを手に入れる事が
本当に自分にとって必要な事なのか
それを手に入れて
自分たちが幸せになれるのか

よく考えなければいけないと思う

足りないものをあげればきりがない
完璧な人間、
完璧な国なんてないのだから


新しいものを求める事が悪いわけではない
けれど、
そういった事にばかり心を奪われて
今ある素晴らしいものに気づけなかったり
すぐそばにある幸せを見過ごしたりしないように
心がけていきたい








Wednesday, March 20, 2013

ファーマシストマガジンに記事を掲載して頂きました

世界から見た日本の薬剤師の特殊性と可能性

というタイトルで、ファーマシストマガジンに記事を掲載頂きました。

これからも、患者さんの為のよりよい医療を作っていくために、世界と日本をつなぐお手伝いをしていきたいと思います^O^

http://www.pharmacist-magazine.com/special/2013/201303.html


Monday, January 21, 2013

2/16@金沢 講演会のお知らせ


~転送歓迎~



「世のため人のため、より良い医療をより安く」「日本の医療を輸出産業に育てる」という理念を掲げ、日本を医療崩壊から救う試みを実施しながら、カンボジアの医療供給体制の立て直しや、東北の復興に奔走している北原茂実医師を金沢にお招きして、講演会を開催致します。
いま、国内外の医療界のみならず、経済・産業界からも注目を集めている多忙な先生が北陸にいらっしゃることは滅多にないので、医学生、看護学生、薬学生などの医療系学生はもちろん、他学部の学生のみなさん、社会人のみなさん、ぜひお誘いあわせの上ご参加ください(^O^)/






【日時】2013216日(土)1330開場
【会場】金沢大学宝町キャンパス医学部G棟第4講義室

【講演内容
・医療崩壊の真実と崩壊から日本を救うための試み
・カンボジアプロジェクトをはじめとする国境を越えた医療の展開や医療の輸出産業化
・その他、国内での地域活性化など  

【主催】金沢大学学生有志
【参加費】学生無料、社会人2000
【懇親会】学生1000円、社会人2000

【お申込み、お問い合わせ】(131日締切)






------------------<北原茂実医師ご略歴> ---------------------------------
1953 神奈川県に生まれる。
1979年東京大学医学部を卒業後、同大学付属病院脳神経外科にて研修。 その後、三井記念病院、東京都立府中病院、帝京大学付属病院などを経て、1995年に北原脳神経外科病院を開設した。

「世のため人のため、より良い医療をより安く」及び「日本の医療を輸出産業に育てる」の2つを経営理念に掲げ、医療と教育をツールとした社会開発、医療による所得の再分配を目的に、アジア各国への学校や病院建設、日本国内の医療制度の改革に尽力してきた。
現在は内戦によって荒廃したカンボジアの医療供給体制を立て直すため、同国初となる総合医科大学と付属病院建設に奔走している。
※参考:「病院がトヨタを超える日」(講談社プラスアルファ新書)
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Saturday, January 12, 2013

【ネットで医薬品を購入する際の注意】


一般用医薬品のネット販売が現行法の下で事実上解禁になったとの報道を受けて、多くの消費者が、ネットでの医薬品購入に関心を高めていることと思います。
そこで、一点、注意して頂きたいことがあります。

インターネットで医薬品を売買する方法は大きくわけて二種類あります。
一つは今回の裁判で、話題になった、一般用医薬品のネット販売ですが、これは、国内の薬事法の下、医薬品販売の許可を得た業者によるものです。

一方、海外に拠点を置いている業者から医薬品を購入する場合、それは、個人輸入にあたります。
個人輸入した医薬品は、薬事法を初めとする、国内法の対象外なので、副作用被害救済制度の対象になりません。

みなさんが良くご存知のネットショップの最大手各社でも、一般用医薬品や処方薬を、普通に販売していますが、「海外直輸入」や「副作用被害救済制度の対象外」と表示されている商品は、個人輸入にあたります。

国内で、薬事法の許可の下、承認を受けている、医薬品販売業者と、海外に拠点を置く、薬事法対象外の業者(医薬品販売業の許可があるのかも不明)から医薬品を購入する、という行為は、リスクが全然違いますので、ご注意願います。
個人輸入に関する情報は下記、厚労省のページをご覧下さい。




また、利便性と安全性の両立についてはこちらをご参考に→ http://sankei.jp.msn.com/smp/affairs/news/130111/trl13011120500007-s.htm

Monday, January 07, 2013

運命の人

素晴らしい人に出会ったとき、
「どうしたら、こんな人が育つのか」

熱心に打ち込む人を見たら
「この人のモチベーションはどこからくるのだろう」

嬉しいことがあったら
「なぜこんなことが自分に起こるんだろう」

由来や原因を考えます。


私にいいことが起こる時、
それをたどっていくと、
様々な過程を経て、
高い確率で、ある人にたどり着きます。

その人は、
大学に入りたての頃に
落ちこぼれで、医療や薬学、薬剤師に対して、何の志もなかった私に
薬学生の集い(現:日本薬学生連盟)立ち上げやアジア薬学生シンポジウム開催のきっかけをくれた人です。

活動をするときはいつも一緒。
国内外の学会で発表したり、全国に広報しに出かけたり、薬害裁判の原告支援に駆け回ったり、
勉強会やイベントを企画したり。

大学でも毎日一緒に昼食を食べて、一緒に遊んで。

当時はまだ、お互い若くて未熟で
性格も考え方も違うから、
補い合えることも多かったけど
ぶつかることも多かった。

それでも、時間をかけて
とことん話し合って
いつも信じてくれて
学生時代、一番一緒にいた人かもしれません。
同じ目的に向かって、駆け抜ける仲間がいるって、なんて素晴らしいことなんだろうと、
教えてくれました。


大学を卒業してからは
それぞれ別の道へ。

私たちは、国際派、海外志向という共通点があるので、(しかもいつも一緒にいたので)
よくひとくくりに、セットで考えられることが多いけれど
キャリアに対する価値観や方向性においては、似てる部分もある一方で
実は結構違う面もあったりします。


彼女は海外の中でもより先進的な取り組みや教育について関心が高く、
卒後も、オーストラリアやカナダの薬局で経験を積みました。

私はどちらかと言うと、途上国に目が向いていて、HIV感染症やその他の公衆衛生的な問題をどう解決するか、いかに貢献できるか、ということを考えていて、卒後、青年海外協力隊という国際協力の道を選択しました。

欧米諸国の生活と、アフリカの生活は全然違いますが、
海外にいるからこそ見える日本の良さ、そして課題や
また、海外で生活することの難しさや孤独などに関しては
沢山の共通の悩みや想いがあり、わかりあえることも多かったです。


そして、オーストラリアとカナダで約一年ずつ経験を積み、帰国した彼女は、より欧米の薬剤師・薬局スタイルに近い、調剤併設ドラッグストアで勤務をしていました。

その後、私も青年海外協力隊の2年の任期を終え、翌年4月から大学院への進学が決まっていましたが、帰国時期が夏だったため、入学までの間、1年弱間がありました。
なので、仕事を探していたのですが、短い時間でやとってくれる職場がなかなか見つからず
悩んでいたところ、彼女が勤めている会社を紹介してくれました。

そして、店頭で調剤やOTC業務をしながら、当時彼女が手伝っていた、採用のお手伝いをさせて頂く機会ももらいました。このおかげで、人材のことや、業界の動向について沢山学ぶ事ができました。


今日もとても素敵な出会いがあって、
年末にも尊敬できる方との出会いがあって、
どちらも思い返すと、
彼女がいなければ、出会ってなかった人に紹介してもらった人でした。

彼女が男か、私が男だったら、とっくにプロポーズしてるところでした(笑)



本当に人に恵まれて、今日の自分があります。
今まで出会ったみなさん。
ありがとう。