Thursday, August 30, 2012

薬学生・薬剤師が海外で働く、国際キャリアを積むには その2



自分が学生だった頃
今よりもっと無知で
薬学部で学ぶ目的
その先に何があるのか
全然見えず

日本で薬剤師として働くことに魅力を感じず
とにかく広い世界に飛び出したかった(様々な経験を経て今は違う考えですが)


だから、薬剤師として国際的に活躍されている人を探そうと
色んな所に出かけて
色んな人に話を聞いて
何人かには会えたけど
何人かにしか会えなくて

誰に相談していいのか
何を目指せばいいのか
何年も悩んでいました。

だから私は
自分で自分の道を切り開こう、と。
そして、後に続く人のために、
情報を発信していこう、と心に決めたのでした。

おかげさまで
講演活動やMIL (http://emil-jp.com/user_page_pdf_list.html)をはじめとするその他薬学系の雑誌での執筆、Twitter, Facebook, そしてこのブログを通して、多くの同じ志を持つ仲間に出会うことができました。
ブログを書き始めて6年になりますがその中でも最もアクセスを頂いている投稿の一つがこちらです。↓

薬学生・薬剤師が海外で働く、国際キャリアを積むには



この記事を見て、進路に悩む薬学生が連絡してきてくれると、書いていてよかったなぁ、と心から嬉しくなります。


上記の記事は、すでにある程度やりたいことや目指すものが明確になっている人向けの記事ですが、もっと前の段階での相談も受けます。



「何からはじめたら良いのかわからない」

とか

「国際的な仕事がしたいけどどんな働き方があるの?」

などです。

なので、今回は続編として、特に国際保健系の情報収集にフォーカスして参考になりそうなリソースを紹介したいと思います。


<何から始めたらいいのか>
STEP1: 情報収集をしましょう。本を読んだり、メーリングリストやTwitter, Facebookなどで情報を集めることができます。

STEP2: 情報源から興味のあるセミナーやイベントに参加して、実際に活動をしている人の話を聞いたり、同じような志を持つ仲間を見つけよう。




☆参考書籍:

1.国際保健医療学 国際保健医療学会編集
2.世界と恋するおしごと- 国際協力のトビラ 山本敏晴 著

☆参考URL:
1.国際保健医療学会学生部会メーリングリスト
http://www.jaih-s.net/modules/tinyd/index.php?id=12
Twitter: https://twitter.com/intent/user?screen_name=jaih_s

2.国際協力NGOセンター http://www.janic.org/
国際協力に関する情報発信を行っています。Twtter, Facebook, メーリングリストもあります。

3.国際保健NGO SHARE http://nposhare.sakura.ne.jp/share/join/event/
国際保健に関する活動をしているNGOです。



<国際的な仕事がしたいけど、どんな働き方があるか>
医療系のバックグラウンドを持ち、国際保健分野で活躍することを目指すかたが必要な知識・スキル・人脈を獲得し、ステップアップする手段の一つとしてMaster of Public Health (MPH)の取得があります。日本でも長崎大学がMPHのコースを開講していたり、アジアですとタイのマヒドンが有名ですが、日本やアジアを基盤としていくなら、それも有効な選択の一つですし、そうでなければ一般的に欧米に優れたコースが多くあるように思います。

☆MPH(Master of Public Health)留学関係参考URL

 http://square.umin.ac.jp/kj/mph/body.html
 http://www.gradschool.jp/blog3/6_/mph/
 http://ameblo.jp/drcityangel/



☆大学院で国際保健や公衆衛生(MPH)を学んだ後の進路の例
国際機関や政府またはNGOの専門家、民間のコンサルなどが多いように思います。
http://www.geocities.jp/yohkocco0407/int_coop.html
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/mph/entrance/sinro.html 


参考になれば幸いです。

進路に関する相談、随時受け付けております。
ページ右下のメールフォームに直接入力をしてご連絡ください。






Monday, August 27, 2012

命の重さ

シリアで日本人ジャーナリストの山本美香さんが亡くなりました。

いつも社会的に弱い立場にある人々に目を向けていた姿勢にとても共感します。


「無関心は罪である」
で言うことも以前おっしゃっていました。

彼女が亡くならなければ、
シリア情勢がこんなに大きく日本で報道されることはなかったのかもしれない、と思うと
とても皮肉にも思えます。

彼女が亡くなったことで、
彼女の周りや日本の人々が深い悲しみに包まれると同じように
毎日、シリアの戦禍の中で
多くの人々の命が失われ
悲しんでいる人々がいることを
私たちは知らなければいけないと思います。

ガーナにいたころ
隊員だった息子さんを亡くした親御さんに会う機会がありました
「息子が生きているうちに、よくやってるなと誉めてあげればよかった」
といった言葉が印象的でした。

私にも今日も世界の最前線で厳しい状況にある人々を救うために
任務にあたっている友人が何人もいます。
その言葉を思い出し
「あなたのしていることは素晴らしい。そしてどうか無事に帰ってきてほしい」
とすぐにメールを打ちました。


ガーナで生活していた時
2年間で何人もの同僚や友人を亡くしました。
ガーナは幸い平和な国ですが、
やはり日本とは衛生環境も、事故や事件の起こる確率も違います。
人生の中で身近な人の死を
あまり経験してこなかった私にとっては
重い経験だったとともに

人生とは、人の生命とは

考えさせられた日々でした

ガーナで公務に当たる日本人が
生命に関わる病気や怪我をした場合
日本政府は最大限の手を尽くします。
本人に過失があろうとなかろうと
時には、最新の医療設備が整ったヨーロッパまで
緊急輸送して治療を施すこともあります。

一方
普段、我々が一緒に働く現地の同僚に同じことが起きたとき
現地の医療機関が対応します。
大抵の場合、命は助かりません。

同じように日々過ごしている者同士なのに
こんなにも扱いが違うなんて
本当に矛盾だらけです

日本人の命も

戦禍にあるシリア人の命も


同じ一つの命のはず

その尊い命が

今日も失われているということを

山本さんは日本の人々に伝えたかったのかもしれないけれど、


日々、人々の関心は薄れていく


自分もアフリカにいた当時と比べたら

明らかに世界に対する関心が薄れている

大事なことを思い出させてくれた

できごとでもありました。

ありがとうございました。


ご冥福をお祈りします。












Tuesday, August 21, 2012

いじめられている君へ

毎日を生きることが

ただただ辛くて


生きている意味ないと思うかもしれない


自分が消えてしまった方が楽だって

そんな風に思っているかもしれない。

私は医療に関する仕事をしています。

人の命を守る仕事です。

医療の仕事をする上で

大切なことはたくさんあります。
その中で最も大切なことの一つが、
患者さんや家族の方々の気持ちに寄り添うことです。

病気やケガ、障がいを抱えている人は

身体がしんどい

でもそれだけでなくて、
心がしんどい人もたくさんいます。

この病気は治るのかな。

私、しんじゃうのかな。
仕事は続けられるのかな。
治療費は払えるかな。
病気だって周りの人に知られたら、煙たがられるかもしれない。

悲しみや苦しみ、不安

その内容や程度は人それぞれ。

本人にしかわからないことが多いから、

それが更にその人を大変にさせるんだと思います。


どんなに頭が良くても

どんなに技術が優れていても
人の痛みをわからない医療者は
本当の意味で人を助けられないと
私は思っています。


あなたのように、辛い、苦しい思いをした人にしか

できないことがあります

それは

同じように苦しんでいる人を助けること

人の痛みを理解することは

とても難しいです。

みんな違う人間だから
完全に理解することは
たぶん無理なのかも。

でも
辛い人、苦しい人に
ただ寄り添うことはできるし、
少しでもわかろうと
努力する気持ちは伝わります


いまはとにかく辛くて
この世の終わりだと思うかもしれないけれど

あきらめないで、信じてほしい。


あなたが辛く、悲しいとき、あなたの心に寄り添いたいと思う人が必ずいます


そして、
あなたにしかできないこと
あなたにしか救えない人がいます

だからどうか
生き抜いてほしい




Wednesday, August 01, 2012

R.I.P


IPSF時代からお世話になってきた、FIP事務局長 Ton Hoek 氏が逝去されました。

http://www.nichiyaku.or.jp/?p=16613

長い間、闘病しながら任務にあたっていたことは存じておりましたが、FIP100周年記念Congress直前に亡くなってしまったのは残念です。

強いリーダーシップでFIPを改革、牽引してきた一方でいつも穏やかで優しい方でした。

R.I.P